Yukon Arctic Ultra(本編)

ダウンタウン散歩

ホワイトホース最終日。11時ごろ出かけて街をぶらぶらする。今日は晴れてさらに暖かい。気温は5度からもしかしたら10度近くまで上がったかもしれない。リバーデールからダウンタウンへは徒歩15分くらい。

街じゅう雪が解けて大きな水溜りだらけ。すっかり春が来たような様子だが、この状態になるのは本来4月らしいので、もう一度寒くなるだろうとのこと。明日からはまた最高気温がマイナスになり寒くなっていくようだ。 この暖かさは1940年以来だとか?1月の下見のときには寒さが続いて電力の消費が過去最高とニュースになったりしたというのに。ユーコン川の氷も解けてきてあちこちで割れた氷が積み重なっている。 2週間前に川の上をソリを引いて歩いていたなんて想像できない。街をぐるっと一周しメインストリートの土産物屋でほしいものをいくつか買って17時前にリバーデールの滞在している家に戻る。

ようこさんとポリーンさん宅へ出かける。いつものようにようこさんが寿司(太巻きだがこちらでは寿司と呼ぶ)を作って持っていく。今日はポリーンさんが出張で不在でロジャーさんと3人で食事。 レースの報告とソックスが問題だったことを伝える。来年またやりたいと伝えると嬉しそうにしてくれた。少しずつ学んでいけばいいとのこと。 ほんとにこのレースは経験するべきこと、学ぶべきことが多い。あと次に来るときは自分も寿司作れるようにしてこよう。れなっちが作ったちゃんこ鍋も気に入ったらしい。 あとモカシンはシューズの上に履いてみたら?とのこと。

ようこさんとカークとマイク(ようこさん宅の居候)がグレートレースのプロローグ(NHK-BS1)で、れなっちがテーブルに着いている私にお茶を持ってくる場面を見て、 カークとマイクは「日本では男性は座っていて女性が食卓の準備をする」と理解したらしく、ようこさんはなぜそうではないんだと言われたらしい(笑)ということを聞いていたのだが、 ロジャーさんまで同じことを言い出した(ようこさん通訳)。あれはカナダ人の教育によくない。

今回のレースでは、日本ではもちろんだが、現地でたくさんの人にお世話になりレースを超えたいい経験、財産を得ることができた。財産とは人と出会えたことかな。 見ず知らずの人間を(もうお友達だけど)泊めてくれたり、知識をくれたり、サポートしてくれたり、夕食に招いてくれたり、 みんなユーコンが好きでここに住んでいる人たちだったけど自分にとっても特別な場所になった。さらに自信を持って特別と言い切れるためには、やっぱりYukon Arctic Ultraを完走できたら最高かな。 430マイルの部は2年に一度なので、来年は300マイルの部が最長だけど、それでも今の自分には遥か遠い目標。

明日の朝ついにホワイトホースを離れる。今年になって日本にいた日数よりもユーコンにいた日数のほうが多い。下見と合わせて30日以上ユーコンにいるため、 3月の1週目を終えるくらいでやっと日本にいる日数のほうが多くなるという。 櫛田さんからメッセージがあり、お客さんが北のほう(ドーソンとか)で車を路肩に落としてしまい救出に行かなければいけないので、明日の朝空港に送れなくなったとのこと。 元々の予定通り、ようこさんに送ってもらうことになった。