Sahara Race Namibia 2016
ステージ2, 42.0km, 5時間10分24秒, 6位(区間)/6位(合計)
2日目も5時すぎに起床。夜は良く眠れた。相変わらず風が寒くすばやく朝食を済ませる。今日もブリーフィングは7時15分から。以前に比べて早めにブリーフィングをおこなうようになったらしい。7時15分くらいから選手がキャンプ地中央に集まり始め、実際には5~10分ほど遅れてブリーフィングがおこなわれた。今日もゆとりを持ってスタート前の準備を終える。ソックスは水膨れが改善することを祈って薄手のものを使う。
今日はスタートから前に出ることにしてどんな走力の人が上位にいるのか見ることにする。スタート直後だけ先頭をわたるさんと並走。わたるさんの写真を撮ってから後ろに下がる。先頭は前日と変わらず、わたるさんと台湾の選手。その後ろに若岡さんと自分を含めて4人の集団。軽いアップダウンのある岩の多い場所を走っていく。この集団のペースは先を考えると少しきついと思ったので無理はしないことにして3人を見送った。その後さらに何人かに抜かされて、どうやら自分の適性ポジションは前日の順位と同じように8位前後かという感じ。
コースは海沿いに出て砂浜になった。ここからCP3まで北に向かって20km以上砂浜が続く。足が微妙に砂に沈み込みなかなか前に進まないが、落ち着いてなるべく固そうなところを選んで走る。前に行った集団はだんだん小さくなって見えなくなってしまったが、しばらくすると若岡さんのペースが落ちていて追い抜いた。CP3まではとにかく砂浜がつまらなくて「あと何分走れば次のCPに着くはず」と時計を見ながら進む。九十九里浜のようだった。天候は曇りで風もあり暑くないのが救いだった。風は強いが追い風なのでつらくはない。途中ですごく臭いところがあり海岸を見るとアザラシの集団がいた。ナミビアの海岸にはアザラシが多い。
CP3からコースは東向きになり内陸に入っていく。足元も岩になり前を進む選手の足跡やコースの目印のピンクフラッグが見えにくい。CP3を出たときに前に選手が見えていたので、前の動きを見れば楽ができると思っていたが、軽いアップダウンがあるため見失ってしまった。しばらくするとピンクフラッグも見失ってしまい「だいだいあっち」の方向に多少蛇行してフラッグを探しながら進む。後ろを振り返っても他の選手の姿はない。コースロストという最悪の事態が頭をかすめるころようやくピンクフラッグを見つけた。見えにくいものの次のフラッグも見つけて方向を定めることができた。
少し内陸に入ると晴れて風も弱くなった。ブリーフィングで内陸は暑くなると聞いていたが、海沿いが寒いくらいの天候なので「数km内陸に入っただけでそんなに変わらないだろう」と思っていたが、本当に暑くなってきた。CP3から今日のキャンプ地までは11kmなのでもうそれほど補給を気にしなくても一気に行けると思っていたがなかなかキャンプ地は見えない。
アップダウンもなくなりゆるやかに登っている感じはあるものの景色は地面と空の2色を地平線が分けているような状態。数km先まで見えていると思うがキャンプ地は見えず。遠くに黒い影が2つ見えたのでキャンプ地のフィニッシュゲートの手前に設置されている大きな旗(バナー)かもしれないと思ったが全然近づいてこない。よく見ると人影のようでさらに遠方にも黒い影がある。順位は6位あたりを走っていると思うが前に3つ人影があるということは3位まで見えているのかもしれない。
「経過時間的にもいい加減その辺の岩陰からフィニッシュが目の前に現れるだろう」と思い始めたころ撮影班の田中さんに出会った。田中さんは前日もフィニッシュ直前にいたので「やっと到着か?」と思い「あとどのくらいですか?」と聞くと「あと2kmです」とのこと。こんなに走ってきたのにあと2kmもあるのかと力が抜ける。絶対CP3から11km以上あるだろう。田中さんに「今日は大健闘ですね」と言われたので、前の人影が3~5位の選手だと確信する。少し影が大きくなった気がする。10分も差はなさそう。ただやっぱり疲れていたので田中さんと別れてから少しだけ歩いてしまった。あと2kmが正しいことを祈って力を搾り出して走る。
しばらくしてフィニッシュが見えた。とても疲れたが体調は崩さずに終えることができた。ただ予定よりも力を使いすぎたかもしれない。今日の順位は6位で3位まで13分差。3位の選手は初日は先頭の2人についていっていたのに今日は順位は3位のままながらタイム的には先頭2人から大きく後退していた。あと今回は女子選手のレベルが高い。1日目, 2日目と自分のすぐ後に入ってきたのは女子1位を走るレバノンの選手。アタカマ・ゴビ・南極で一緒だったアリがコーチしたらしいと聞いた(コーチより速いけどw)。その後ろにも2人女子が続き、女子4位にまきちゃん。まきちゃんも総合15位あたりで走っていて強いが、その上に明らかに屈強な雰囲気(背も高い)の女子が3人もいる。
テントに入って、「今日は水膨れは悪化した感じがしなかったな」とソックスを脱ぐとかなり悪化していた。左右の足とも側面から裏にかけて大きな水膨れができていて血がまざって真っ赤になっている。安全ピンをアルコールで消毒して水(血)を抜き椅子の上に足を上げて乾かす。
テント内でごろごろしているとあっという間に夕方。今日はけっこう疲れたため明日に備えて足を冷やしたり伸ばしたりしているとすぐに時間が経ってしまう。明日いかに回復させるかが重要だと思ったので食事も入念に。3日目の朝に食べようと思っていたサンマ蒲焼の缶詰も夜のうちに食べてしまった。