Sahara Race Namibia 2016

ステージ1, 37.3km, 3時間36分31秒, 8位(区間)

レースのスタートは8時なのでアラームは6時にしておいたが、みんなの動き出しは早く5時ごろから準備が始まった。早く寝たため眠くはなくみんなと一緒に行動開始。外は相変わらず非常に寒い。また海のそばのため湿気がありウェアがしっとりと湿っている。毎日こんな感じだと不快な一週間になりそうだ。

レース初日のブリーフィングは7時15分からとのこと。7時45分の間違いじゃないの?と思いながら準備をする。以前砂漠レースに出ていたころは、なるべくぎりぎりまで休んでいたいという心理もあり準備が遅れがちだったが、今回はブリーフィングに遅刻しないように準備する。テントから出ると風が強く寒い。寒い中でトイレに並んだり食事をしたりしていると砂漠に戻ってきたなーと実感する。

ブリーフィング中は上着(レインウェア)を着てなるべく体を冷やさないようにする。スタートの10分前に上着を脱ぐ。初日のテーマはとにかく無理せずゆっくり。初日に突っ込むと環境に慣れていないことも加わって2日目に大きな疲労が残ることが多い。突っ込まないように最初は最後尾から動画を撮り、後から少しずつ前に出て行こうと思っている。

8時にレーススタート。1週間きちんと走れるか心配ではあるが、今回はとにかく完走すればよいと考えれば気楽だ。動画を撮り、写真を撮りながら少しずつ前を追いかける。海岸に巨大な何か(船?重機?)の骨組みのようなものがあった。スケルトンコースト(骸骨海岸)は座礁した船、動物の骨など何かの残骸がたくさん残っていることから名付けられている。体に負担をかけず楽に進むことを考えて走る。

今日のコースは軽いアップダウンはあるものの固い地面ばかりでスピードコース。曇っていて直射日光がないことと冷たい風が吹いているため、走るにはちょうどいい気候。後ろからスタートしているため前の選手を抜かす一方で後ろから抜かれることはない。そして自分がどのくらいの順位にいるのかもまったくわからない。今日は順位をわからなくしてゆっくり走るという狙いもあるため順位はわからなくてよい。時間の経過とともに晴れて日が差してきた。それでも風が涼しいので暑いという感じではない。朝の曇り空は曇りというよりは霧に近かったのかもしれない。

CP1あたりから足が蒸れて足裏が水膨れっぽくなってきた。砂漠のわりに海沿いで湿気があるのと、少し厚めのトレランソックスを履いているのが原因か?早くキャンプ地に行って乾かしたい感じ。コース中盤になると自分のペースに合うポジションに上がってきたらしく抜かすこともほとんどなくなった。後半に入ると前を進む選手を何人か抜かす。明らかに疲れて失速している感じなので、気分が盛り上がって飛ばした結果疲れてしまった人たちだろう。

もうすぐ今日のフィニッシュが見えるか?と思ったところで、すぐ近くにキャンプ地が現れた。大して疲れることなくフィニッシュすることができた!順位を確認すると8位で予想よりもいい位置にいた。気になるわたるさんは1位、ライバルになると見られている台湾の選手はわたるさんに1分遅れ、3位の選手が7分遅れと上位は激戦になっていた。2位の選手はYukon Arctic Ultraで2013年に430マイルで3位になっていて、3位の選手はYukon Arctic Ultraで2015年に100マイルで優勝している。やっぱりユーコンに出ている人は超人揃いなんだな。わたるさんについていける位の走力があってようやくユーコン上位に入れるのか。

走力が近いと思われる若岡さんは13分前にいる。今日は余裕しゃくしゃくで走ったとはいえ13分上げるのはちょっときついかもしれないと思った。ただ初日はがんばった人と、抑えて走った人の差が大きく出るので明日が終わったところで目標が決まってくるかなと思う。

昼前にフィニッシュしてしまったのでキャンプ地はまだテントの設営が済んでなく、しばらく外でぶらぶらしてテント待ち。テントに入ってからソックスを脱いで足裏を確認するとそんなにひどい水膨れではなく、溜まった水も少しだけなので治療はせず明日は薄いソックスを履いて様子を見ることにした。到着直後こそ日が当たっていてテント内にいると暑かったが15時くらいになると涼しくなってきた。今回のレースは暑さは問題にならなさそうだ。ただある程度日差しがあって気温が上がらないとアイシングをしたり顔・体を拭くのに湿らせたシャツを乾かすことができないのでちょっと問題になる。

キャンプ地はやっぱり風が強く寒いので完全に暗くなる前に食事と寝る準備を済ませて19時ごろにはテントでシュラフに入る。もう少し暖かくて焚き火を囲んでお話していられるくらいだといいんだけど。焚き火の周りではお湯係りのナミビア人がみんなで歌を歌っている。プロか?というくらい声がよくチームで連携を取って歌っているが普通のお湯係りなんだろうか?日常から歌う習慣があればプロではない一般のナミビア人でも歌が上手なんだろうか。