Yukon Arctic Ultra 2016
フィッシュレイクからコッパ―トレイルへトレッキング
全然眠れず、ちょっとうとうとした程度で朝の7時になる。朝食を済ませて8時にロビーで櫛田さんと待ち合わせ。今日のフィッシュレイクには取材で来ている岡部さんも同行。これは取材ではなくせっかく来たのだからホワイトホース近くのよい場所も見ておけば?とお誘いした。朝8時は少し明るくなったころのイメージだったがまだ真っ暗だった。車でフィッシュレイクへ向かう途中、道路にリンクスという動物がいて櫛田さんも野生を見るのは初めてだという。まず人前に姿を現す動物ではないらしい。
9時ちょっと前にフィッシュレイクに到着したときは、だんだん明るくなってきていた。準備をして9時にスタート。気温はマイナス10度程度で寒くはないが顔に風が当たるとすごく冷えて嫌な感じ。このくらいの気温なら凍傷にはならないかもしれないが、レースのときは極力快適な状態を保つべきなので我慢はせずにフードをかぶったり、バラクラバをかぶったりいろいろやってみる。動いていると暑くなるし、かといって素肌を出しているとそこだけ冷えるのでなかなかちょうどよくならない。
途中で自撮り動画(セリフ付きで)を撮りたかったので岡部さんには先に行っていてもらって(道の特徴を教えて明確なところで待ってもらう)1人でゆっくり写真や動画を撮った。シャボン玉を凍らせる実験はマイナス10度程度ではだめだろうなと思いながらやってみたが、やっぱりいたって普通のシャボン玉になった。フィッシュレイクとホワイトホースの間のトレイルは去年練習であらゆる時間帯、何度も何度も歩いたところなので細かい場所まで明確に思い出せる。手軽かつ景色のよい素晴らしい場所だ。フィッシュレイクから下ってホワイトホースのトレイルの出口付近まで5時間弱。標高の高いフィッシュレイクではマイナス10度、そこから少し登って日当たりのいい稜線ではマイナス5度、ホワイトホース側に下ってくるとマイナス15度(トレイル出口付近はマイナス12~13度)という気温変化だった。
今回気が付いたことの1つが「動物」。去年はマイナス30度を連発していたためか動物の姿を全く見なかったが、今日は鳥が飛んでいたり生き物の気配を感じた。時期は同じでも気温が上がると活動しはじめるのだろうか。
去年の練習のパターンと同様にトレイルから出る手前で火関係の練習。ガソリンストーブの着火とたき火の作成。火は作るとなったらスムーズにできるように何回も練習しておきたい。去年はここでたき火に失敗したが(適した木が少ない場所でもある)今回は1回でうまくいった。あと衛星携帯かられなっち(出勤直前)に電話をかけるテストもおこないよい通信状態で話ができた。
今日はグローブもベイパーバリアをしていたがたった5時間のトレッキングでポリエチレン手袋(ドラッグストアで買ったやつ)の内側にはっきり水滴がつくくらい湿った。内側の薄い手袋も着脱がスムーズにいかないくらい濡れていて作業するときにわきに置いたらすぐに凍って固くなっていた。改めて人の体は水分の塊で常に蒸気(汗)を出しているんだなと思った。去年グローブも温まらなくなってきたが5時間でこれでは24時間以上も行動していたらそれは冷たくなるよなと思った。今回は薄手の手袋の上にポリエチレン、そのうえに本格的に防寒するグローブと考えていたが、一番最初にポリエチレンにしたほうがいいかもしれない。不快感は増しそうだが。
いつもの場所で櫛田さんにピックアップしてもらいダウンタウンへ戻る。衛星携帯の予備バッテリーを衛星携帯電話屋で借りてからホテルに戻る。ロビーのソファーでいろいろ話をしたが昨夜ほとんど眠れなかったので眠くなってきた。
解散後、部屋で荷物を片付けてから、大会支給のホワイトガソリンを受け取りにCoast Mountain Sportsに行ってみたが閉店が18時でわずかに間に合わなかった。佇まいがスポーツデポみたいな感じなのでなんとなく夜まで営業していそうな気がしてしまうのだが、暗くなるころには閉店する。ホワイトガソリンは明日ブリーフィングと装備チェックの合間に行くことにする。
部屋でコーンフレークを食べてネットで大会情報の更新がないか調べてから21時前に就寝。時間が早いため明日の朝までぐっすりとはいかないだろうが眠すぎてギブアップ。そしてやっぱり午前2時ごろ目が覚めたのでこのレポートを書いてからもう一度寝る。明日は朝9時からブリーフィング。スタートを翌日に控えて忙しい1日になる。