PTL 2017

レース3日目

関門まで残り13時間で99km:Bourg Saint Pierreまで進む必要がありオフトレイル(道のないところをナビして進む)も多く含まれる区間。これまでの実績を考えるとすでに相当厳しい。たけぷーの判断でも「次の関門へのアタックはギャンブル」だったので、下り平地はしっかり走り巻き返しを狙う。関門に間に合わなければどちらにしろ終わりなので、次の関門がフィニッシュというくらいの気持ちで。下り区間では後ろからたくさんのヘッドライトが走ってきていて、みんな次の関門がぎりぎりなことに気が付いて焦っていると感じた。山を下ると一度街みたいなところに出て長いロード。ポーリンはロードが苦手だががんばって走ってもらった。

街を抜けてからの登り区間でどうにも眠くなってしまい、少しだけ横になっていくことにした。ポーリンには後から追いつくからと言って先に行ってもらった。(後から振り返るとチーム崩壊しているな・・・)20分ほど寝て再出発。途中で道に不安になったというポーリンが真っ暗な中にたたずんでいて休むこともできず無駄な時間を過ごしてしまったと言っていた。停滞している間に最後尾になってしまったが、山を登り切ったところからの下りを走って集団に戻ることができた。この区間後半のオフトレイルは軽いブッシュと牧草地。とあるウェイポイント間をポーリンは巻道、私は直進を選択して別行動(これはいけない)。思ったより時間がかからず関門の50分前にBourg Saint Pierreに到着。

到着したとき「なでしこJAPON」が出発の準備をしていた。ここで睡眠を取ったようだったが意外と近くにいるんだなと思った。関門は出発関門なので50分でドロップバックから補給装備を取り出し出発しなければいけない。装備の入れ替えとカップラーメンを食べてたけぷーのドロップバッグをあさってコーラとレッドブルをGETしすぐに出発。実際は出発の体裁を取っただけで道路沿いにカフェ(兼ガソリンスタンド)を見つけてそこで再度荷物を広げて整理して水を補給してから再出発する。ただしぎりぎりで抜けているので次の区間も睡眠はとれそうにない。

林道の登りでポーリンが眠くなり15分睡眠。少し進んでまた眠いというのでもう一度停滞。2度目の停滞のときは上に建物が見えていたので「ジュース買えるかもしれないから先に登って小屋で休む」と言って先に進む。その小屋はけっきょく個人宅(別荘?)でそこで休める場所ではなかったので道に寝転がって休む。前日にたけぷーを切り離してから実はあまりポーリンと会話ができる距離で行動してなく(分岐などで合流という感じ)次のチェックポイントで待ち合わせればいいんじゃないのとか思っていた。

3日目の夕方で周辺にいた最後尾グループはみんなリタイアしてしまい(あとは前の関門で引っかかって)スイーパーが後ろに着いた。途中標高3000mくらいに山小屋があり前のチームの人が動けなくなってヘリでレスキューされていた。この山小屋に寄っていくことにして食事をした。スープがおいしく大きな鍋がからっぽになるまでおかわりしてしまった(4杯は食べた)。夜になって雷雨の中を歩き115km:Cabane de Velanに最後尾で到着すると前の集団が睡眠中で「なでしこJAPON」が出発するところだった。この前の山小屋で食事をしてから来たので、ここではあまり停止するつもりはなかったが、スタッフが次の区間はナビが難しく睡眠中の数チームが、23時に出発するのでタイミングを合わせて出たらどうかと提案してくれたので軽く食べて20分だけ睡眠してタイミングを合わせて出発する。

Cabane de Velanから登って稜線を超えて山の反対側に降りるコースだが、出だしから岩がごろごろで道がわからない。反対側に降り始めてからが難しいのに稜線に着くまでで前後のチームとは完全に分かれてしまい、けっきょく核心部は自分たちだけで進まなければならなかった。昼間だとかなり印象が違うと思うが夜だとどこを歩けばよいかまったくわからず、コースにはケルン(といっても石3つ4つのミニケルン)があるのでそれを探して進む。しかも2人同時に動くと次のケルンが見つからないときにどこから来たのかわからなくなってしまうため、ポーリンが前でケルンを見つけるまでは私が1つ手前のケルンで待機し、GPSを見てポーリンの方角がずれてきたら「もう少し右だと思う」とか声やライトで伝えて進むという感じでパズルのようだった。