PTL 2017
レース2日目
2日目はたけぷーが体調不良。朝から嘔吐を繰り返しだましだまし進んでいる感じ。1日目に比べると山小屋が多く、山小屋ごとにオレンジーナかコーラを買って飲みながら進む。景色として見ている山は尖っていて急峻だが、歩く場所は巻道になっているので快適だった。
巻道なので早く進んでいる感覚になっていたが、とにかく長くなかなか次のポイントに着かない。たけぷーの調子が悪くポーリンが先頭を行き、ときどきたけぷーを待つ感じ。自分のお腹の気持ち悪さや補給の吸収され具合は落ち着いてきた感じで、どこかで寝たいという睡眠欲だけ。とはいえこの時点では眠くなく今後を考えると早めに寝ておきたいという感じ。
一度どーんと山から沢に降りて、反対側の山をがっつり登り越えていく。日差しは強く暑いが大きな沢の上部に氷河があり、そこから吹いてくる風が冷たい。暑さに我慢できなくなったら少し足を止めれば風が冷やしてくれる。がっつり登りになるとポーリンもペースが落ちるので調子のいい自分が、たけぷーとポーリンの荷物をできるだけ引き受けて登る。ただ2人分をカバーするのは少し無理をしたようで登りきる前に疲れてしまった。
山の反対側を下りて行くと、正規コースと迂回コースと別れるポイントに16時ちょっと前に到着。正規コースは険しく危険な稜線を超えていくのだが、ここは全チーム迂回ルートで行くようにskirocで指示されていた。気象条件がいいのに全チーム無条件に迂回ルートに変わるのは、そもそも無理な(攻めた)コース設定をし過ぎだったのだと思う。 迂回ルートの沢は風が通らず暑い。正規ルートの山を見上げるといかにも危険で落石が多そうだった。危険な場所を迂回できてほっとしたというのが正直なところ。またもともと正規ルートに入れるタイムリミットだった16時をぎりぎりとは言えその時間前に通過できたことで「悪くないペースなのかな」と思った。
一時たけぷーの体調が回復。たけぷーが調子よくなると登りのペースが上がるので今度はポーリンが遅れる。進んだり止まったりを繰り返すのでリズムが悪い。そんなことをしているうちにたけぷーがまた気持ち悪くなり、自分も吐き気が出てしまった。登りだったがポーリンが先行する。ポーリンの登りペースはPTLレベルという意味では十分とは言えないので、それについていけなくなってしまうのは問題がある。
ポーリンが少しいらついた感じになっていて(実際はわからないが)嘔吐しているたけぷーに「今のペースでも寝る時間と食べる時間をなくして歩けば関門に間に合うからがんばって!」と言っている。そんな会話を聞いてなんだか気分が悪くなってしまったので「少し自分のペースで歩かせてほしい」と言って先頭にしてもらった。よくないことだが2人が離れても気にせずしばらく一人で歩く。
1人で歩いていたら調子が上がってきた。後ろを振り返るとポーリンとたけぷーもがんばって着いてきている。このまま先頭を引いていければいい流れにできるだろうか。日が暮れつつありなかなかいい雰囲気の山の稜線が浮かび上がる。ただチームとしては残された時間が少なくなっているし、たけぷーの体調が心配だ。
夜に入って66km:Cabane d'Ornyで回復しなくたけぷーがリタイアを決断。がっつり寝れば回復できるようだが、関門からの逆算でどうやら今夜も寝る時間はないとなったタイミングでの判断。非常に残念&たけぷーのナビがなくなるのは痛い。しかしまずは次の関門を超えることを優先して切り離す(標高2800mくらいの山小屋に置き去り)。PTLは3人チームなら残り2人でもレースを続けることができるルールなので問題はない。ポーリンはチームメンバーの切り離しに抵抗があるようだったが(自分も本来そうだけど)、調子が悪いメンバーを切り離さないと間に合わないとなったら切り離すとチームの方針として話していたので、たけぷーの判断を尊重したいと思った。実はポーリンも私とたけぷーが調子がいい状態になったら自分(ポーリン)を切り離すことも考えていたとのこと。そのくらいぎりぎりだと各自感じていた。