The Last Desert

南極最終日

朝食を済ませた後、8時からゾディアックで氷山ツアーがあるらしい。自由参加だがこれが南極での最後のアクティビティになるため参加することにする。長靴を履いてゾディアックに乗り込むデッキに行くと何人かゾディアック待ちをしていたがグループが大きいらしく、すでに出発待ちをしているゾディアックの次の便を待っている。そこで待っているゾディアックに乗ろうとすると「スパニッシュ?」と聞かれる。ツアーはスペイン語ガイドか英語ガイドに分かれてゾディアックに乗るようになっていた。いくら英語すらままならないとはいえスペイン語ガイドで出かけてもまったくわからないため英語ガイドのゾディアックに乗るため一度階段を引き返してデッキに戻る。しかし結局スペイン語ガイドのゾディアックに乗る人がいなかったため、私がスペイン語ゾディアックに乗せられる。同じように美絵さんと近藤さんも同じゾディアックに乗船。

曇り空の下、氷山ツアー出発。南極に来てから最初の3日間は南極にしては珍しいという晴れに恵まれたが、それ以降は南極らしい?曇り空ばかりだったな。ゾディアックは氷山に近づいては止まりガイドさんが何やら説明をしていく。この辺りは岩場のような小さな島がたくさんたくさんあり陸地沿いに氷の壁やそこから剥がれ落ちた小さな氷が流れている。曇り空でも氷は青く光りゾディアックから水面の下の氷を見ると緑がかった青い色をしている。最初のうちは何が見れるかわくわくしていたが、何日も南極にいた後なので飽きてきた。ゾディアックに乗っていると風は寒いし揺れて疲れるため1時間経過したころには早く船に戻らないかなとばかり考えていた。船のほうに戻っていくときに今にもひっくり返りそうな感じにゆっくり大きく揺れている氷山を見た。9時40分にツアー終了。

船は南極半島からほぼ真北へ向かう。南極に来るときは丸二日間の航海だったがレース(観光)を南下しながらおこなっていたため帰りは少し距離が長く三日かかる。すぐに景色から島や氷山の姿はなくなり波で船が揺れ始める。これからドレーク海峡に入るとまた船酔いとの戦いだ。帰りはその後のレースなど考えなくてよいので酔い止めを飲まずにどこまで行けるか試してみることにする。12時30分からランチ。食事の時間やブリーフィングの招集、その他お知らせなどで放送が入ると大抵最後に「Enjoy!」と言って放送が終わるため、なんでいつもそういう決まり文句なんだろうと思っていたら、放送が入ったときに放送を聞いていた外国人選手が先に「Enjoy!」と言っていた(笑)

小耳に挟んだ話。今回の南極レースは周回コースのため雪が深い場所では一列に道ができてくる。そのため上位の選手が周回差で後ろから接近してくると下位の選手が道を譲る場面も多くなるのだが、上位選手の1人マイケルの仲間達がマイケルに少しでも有利になるようにターゲットを決めて道を譲らずにブロックする作戦をしていたらしい。私もブロック対象にされていたと。マイケルあまりにもガチ過ぎてちょっと引くわー。真剣にやるのはもちろん素晴らしいことだけどそれはやり過ぎ。逆にビンセントなんかは1位を確保した後は明らかに流している感じでそれもどうなんだと思うけど。 深夜になっても船はまだようやくキングジョージ島くらいの緯度。ここから丸2日くらいかかると思うと憂鬱になる。まだ南極にいると言ってもいいくらいの位置だが南極半島にいるときよりは空が暗くなるようになった。シャワーの水圧が南極半島のときよりも上がった気がする。レース中はみんなのシャワーを使うタイミングが同じだったからかな。