The Last Desert
ウシュアイア レース集合
朝食は前日スーパーで買ってきたステーキ肉を宍戸さんが調理してみんなで食べる。宍戸さんは消防士で勤務中に当番で隊員の食事を作ったりするので調理は手馴れたものだ。レースの集合はサンマルティン通りのホテル(Los Naranjos Hotel)に14時のため荷物は上野山荘に置いたまま身軽に出かける。たくさんの土産物店、アウトドア用品店、飲食店が立ち並ぶサンマルティン通りを歩き回って買い物をする。土産物屋で絵葉書とワッペン、郵便局で切手を買った。絵葉書と切手は南極半島の基地で郵便を出せる場所があり宍戸さんに「ぜひ出すべきだ」と言われ4枚分買ったが住所など持ってきていないため出せる先は実家などかなり限られる。
メインストリートを歩いていると南極レースに出場する選手たちも集まっているため出場者に出会ったりもする。喫茶店の窓側の席にアリがいるのを見つけた。昼食はジャンクフードではなく洒落たイタリアンっぽいお店へ入る。1人でふらふらしていた数日は、きちんとしたお店に入っても落ち着かないときちんとしたお店に入っていない。店の入口隣のガラス張りになっている場所で巨大な肉を焼いていたのでみんなは肉料理を注文したが、自分はシーフードパスタ。ウシュアイアは海産物の豊富なようでカニの絵が描いてあるお店も何件かある。シーフードパスタはほぼシーフードの山で下のほうにわずかにパスタが敷いてあるような状態だった。パスタという感じはしなかったが山盛りのシーフードに満足。味付けも口に合った。
タクシー2台に2人ずつ乗って上野山荘へ荷物をピックアップしに戻る。上野山荘前で集合写真を撮る。ここで武石さんとひろっちはペンギンスーツに着替える。レース集合のホテルに到着しホテルの入口に止まっているトラックにスーツケースの荷物を預ける。ペンギンスーツの武石さんとひろっちは早くも大人気でいろんな人に一緒に写真を撮ってくれと言われている。ペンギンスーツの威力は絶大だが、誰でも思いつきそうなのに海外の選手にはペンギンコスプレがいないのが意外だった。手荷物のみの状態でホテルの地下の大きな部屋に入りブリーフィングがおこなわれる。今日のこれからの流れが説明されたはずだが、あまりよくわからなかったのでみんなの後に付いていけば大丈夫だな。The Last Desertのダウンジャケット、選手紹介の冊子、ビブが配布される。ダウンジャケットが配布されるなら義務装備のダウンジャケットは実は購入する必要がなかったのでは・・・。(実際イベント中には配布されたジャケットしか使わなかった)
15時半ごろ一度解散になり各自船まで歩いて行くようだ。ひろっちと2人でもたもたしていたら、他の選手達はさっさと行ってしまったのかほとんど関係者が見当たらなくなってしまったので駆け足で桟橋のゲートへ行く。この時点で船の名前もまだわかってなくどこに行けばよいのかもわかっていなかったので(英語の説明が聞き取れていなかったので)ゲート付近で南極レース参加者っぽい人を見つけて後をついて行くしかない。乗船する桟橋へは小さな小屋でパスポートを見せて船の乗客リストと照合してもらい荷物検査を通って入る。システムがよくわからなかったので(そして船の名前もわからないので)前の人と同じだと言ってチェックしてもらい通過する。
船に乗って部屋の鍵をもらい割り当てられた部屋に入る。自分はひろっちと2人部屋。シャワーもついていて快適そうな部屋だ。これから10日ほどこの部屋で過ごすことになる。さっそくラウンジに乗客が集められ船内生活についての説明が始まる。船の乗客は南極レース関係者が70名ほどと、一般観光客20名ほどである。説明が終わって部屋に戻るとすぐに次の呼び出しがあり今度は避難訓練。各部屋から脱出時用のライフジャケットを持ち出して救命ボートに避難する経路を確認する(数日後には救命ボートにどうやって行くのかすっかり忘れた)。部屋には脱出用のオレンジのライフジャケットのほかに上陸時ゾディアックに乗るときに使う黒い簡易のライフジャケットも装備されている。
避難訓練が終わり部屋に戻ると、またもラウンジへの呼び出し。まったく落ち着く時間がない。どうやら出港のセレモニーらしくシャンパンのグラスが配られている。自分はシャンパン好きではないのでりんごジュースをもらう。船長のご挨拶が終わり乾杯したあと船が動き出す。いよいよ南極の旅の始まりだ。iPhoneの電源を入れてみるとデータローミングができたためメールで「出港なう!」とツイート。
20時から夕食。メニューはOption1(肉料理)、Option2(魚料理)、ベジタリアンの3種類から選べるようになっている。今日はOption2のシーフードパスタを選択。昼食と同じメニューになったがこちらはしっかりパスタでシーフードは上品に少量。自分は昼間レストランで食べたシーフード山盛りのほうが好みだったな。船はビーグル水道を滑るように移動していく。まだ内海なのでまったく揺れない。明日からはドレーク海峡「叫ぶ60度」が猛威を振るうのだろうか。