The Last Desert

カメラを買いに行く

朝は雨は上がっていた。窓の外を見ると町から少し上の山に雪が積もり白くなっている。早起きした人によると早朝は上野山荘の庭も雪で白くなったらしい。クラッカーとりんごジュースで簡単に朝食。近所の家に強盗が入ったとお知らせあり。

一眼レフカメラが壊れてしまったことをルミさんに話すと、南極に行くのだから修理を試みてダメなら新しいものを買った方がいいと言われた。ちょうど上野山荘のオーナー旦那様のルイスさんがブエノスアイレスからウシュアイアに来ていたのでウシュアイアで一番大きいというカメラ店(FOTO EDUARDOS)を教えてもらった。

LAスーパーのフードコートでネットをした後、一眼レフカメラを買いに行く。サンマルティン通りを歩いているとデモ隊がいた。何のデモかわからないけど昨日のストライキと関係があるのだろうか。ウシュアイアで最も大きなカメラ店と聞いていたので、うっかりヨドバシカメラのようなものを想像していたが、日本で言えば小さなカメラ店だった。Pentaxが置いてあれば壊れてしまったK30のボディだけ買えるといいと思ったが残念ながらCanonとNikonしかない。カメラ好きな知り合いにはCanon派が多いのでCanonのカタログを見せてほしいと聞いたが紙のカタログはなかった。Canonのカメラの金額を順に聞いていくと安いのでも10数万円と高い!

自分のカメラが壊れてしまったと自分のカメラを見せると店員さんが何人か集まってあれこれ見てくれたが、状況に変わりはなく「わからない」とのこと。そこで明日から南極ツアーに行くのに新しいカメラがほしい、できるだけ安く、コンパクトカメラは持っているから大きいので、とお願いしてお店にある一眼レフカメラで一番安いと出してもらったのがNikon D3100。値段はクレジットカード払いで5967ペソ。現金なら5600ペソくらいになるようでドル払いも可能だったが(1200ドルくらいだったので、おそらく銀行レートの1ドル=4.76ペソ換算)現金ドルで払うと手持ちの現金がペソしかなくなってしまうのでその選択はなし。レンズプロテクターも付けて6062ペソ。

ここまで来たら勢いで行くしかないので思い切って購入。今回の旅は今まで以上にお金に変えられないものになるから仕方がないね!1ドル=80円=4.76ペソの換算で10万円ちょっとかー。これって帰国するときにさらに税金かかるんじゃないかな。お店を出るときに超片言の英語から意図を読み取って根気強く対応してくれた店員さんに厚くお礼を言い握手する。

店を出ると初夏(たぶん)だというのにみぞれが降っていた。今日は寒いし風もあって雨やみぞれが降るし雲が低くて山がほとんど見えないので、時間があれば国立公園へと思っていたけれどやめておこう。南極終わってからも予定通りなら2日余裕があるので、その時でいいだろう。しばらくセントロを歩こうかと思ったが、買った一眼レフカメラのバッテリーは充電されてなく撮影できないので(初期設定はできた)一度上野山荘に帰って充電することにした。戻りながらLAスーパーに寄って昼食にする(ダブルチーズバーガーセット55ペソ)。

午後になると天気は回復。ウシュアイアは夜から午前中にかけては天気は悪く、午後になると晴れるというパターンになるようだ。雨の後の鮮やかな空の色、海の色、山には新しく真っ白な雪が積もってとても爽やかな景色が広がる。スーパーから宿に帰る道の途中にはドラゴンボールの落書きがあり、これは世界最南端のドラゴンボールだろうと思った。

上野山荘に帰ると武石さんが到着していた。他の人は別の飛行機に振り替えられたとのこと。武石さんは直接ストライキの欠便には掛からなかったとのことだが、成田でエミレーツ航空の故障で成田に1泊、その後のスケジュールが大きく狂いドバイで1泊、ブエノスアイレスで1泊と長い道のりだったとのこと。宍戸さんが到着してから3人でショッピングモールへ行き軽く食事。ついでにネットでNikon D3100の日本国内の量販店の値段を調べると5万円程度。日本のほぼ2倍の金額で買ったことになる。晩ご飯の食材に肉の塊を買う。宍戸さんが料理の腕をふるってくれるようだ。

上野山荘でルミさんにカメラの値段の話をするとアルゼンチンは(電気製品は)税金が100%で、ウシュアイアはブエノスアイレスよりは安いが輸送コストもあるからやっぱり高くなるよねーという話だった。(後日談:帰国前のブエノスアイレスで同じ機種の値段を見たら136000円と驚愕のお値段)夜は上野山荘の他の旅人(バックパッカー)も巻き込んで最後の晩餐。ぎりぎり佐藤くんも到着しみんなで夕食を囲む。