PTL 2018

1人PTL(2日目)

5時30分ごろ出発。寝ていた駐車場は集落(小さなリゾートという感じ)の端にありメインストリートを抜けて次に向かう。 中心にUTMBのライフベースが作られていて大型テントやベンチが置いてあったのでここで寝ればよかったと思った(UTMBは始まっていないので誰もいない)。 メインストリートの反対側にはレストラン・土産物屋・スーパーがあったが当然明け方にはやっていないので何も手に入れられない。 ただクレジットカードで現金を引き出せる機械(たぶん)が稼働中で、これがあるなら日本のように自販機があればいいのにと思った。

少しずつ明るくなる中牧草地を登って行く。展望のよさそうな場所に2つ山小屋があり昼間は明らかに営業していそうな雰囲気だった。時間帯がよければ食べ物・飲み物を買ってゆっくりできそう(頭の中は普通の食べ物を食べたいでいっぱい)。 夜が明けたら山がきれいに見れるかなと思っていたが朝になったら完全に曇ってしまった。牧草地から氷河に登り標高が2000mを超えてくると少しだけ山のてっぺんの尖ったところが見えた。 その山の先端が異様に高いところに見えたので晴れたらすごい迫力なんだろうなと思った。

氷河(実際には氷雪は上部に少しあるだけで氷河地形、真ん中に氷河が融けた水が流れている)を登っていると少し雲が晴れて氷河の地形全体が見えた。氷河に削られた山の岩々感がすごい。 標高2500mの氷河上部では呼吸が苦しくなりたびたび止まって呼吸を整えた。筋力も疲労で落ちている。緯度が高いので日本の標高2500mよりもつらいはず。 Col Ferretを超えるとイタリアへ。稜線の北側がスイスで南側がイタリア。スイス側からは雲が登ってきていてスイス側の山の景色は見れなかった。 イタリア側は晴れていてモンブランの山塊が見えている。

この稜線でPTLのコースはトレイルとオフトレイルに分かれる。この区間のオフトレイルは長くてきびしそう。遠目に見てもやばそうな山が連なっている。 実際はこちらのコースは山が尖りすぎているためか山頂をつないでいくコースは少なく見た目よりはましなことも多いが。自分はもちろん一般トレイルへ。イタリア側の谷はいかにも氷河に削られましたとう感じで、切り立った山肌がすごくきれい。 写真を撮りまくりながらRefugio Elenaへ下る。観光的な登山ルートのようで人が多くなった。日本人ツアーもいた。10時にRefugio Elenaに到着しレストランが営業していてタルトとコーヒーで少し休憩。 足が蒸れとむくみで痛いのでソックスを薄手のランニングソックスに変える。トレイルの靴下は厚めのものが多いけど自分は薄手のほうが調子がいいように感じる。

クールマイユールまで25000分の1地図A4サイズ2枚ちょっとくらいになっていて今日中にシャモニーに帰れそうな感じになってきた。シャモニー行きの最終バスが16時台というのを前に何かの情報で見たことがあったので16時クールマイユールが目標。 そろそろ帰りのバスの情報もまじめに調べたかったが電波は圏外。10時30分にRefugio Elena出発。(ここは観光地としてかなりお勧め!)

Refugio Elenaからずっと下って行き舗装路の終点のにぎわっているところまで降りる。UTMBのライフベースが作られていた。ここからまた少し登って山の中腹にあるトラバースしているトレイルを進む。 ここはツール・ド・モンブラン(UTMBと別の本来のTMBの意味)のコースになっていて「TMB」という札が所々に付いている。またスイス側では登山道を示すマークが白字に赤線(スイス国旗モチーフ)だったのがイタリア側では黄色の矢印になっている。 途中でTMBのコースマーカーからは外れてCol du Spainに登って行く。ここは牧場の中で牛の爆弾が大量に落ちている。Refugio Elenaでクールマイユールまで6時間とあったので十分16時に着けると思っていたが、 メジャールートのTMBのことであってPTLで指示されたコースだともう一度2500mまで登るコースになっていてがんばらないといけない。

Col du Spainに着くと反対側からUTMBのコースマーカーも登っていていてさらにハードな山頂に向かって続いていた。ここまでにもところどころでUTMBのコースマーカー(スタッフが設置作業中)を見かけていたが、 急斜面も多いし、コースのほとんどが森林限界を超えているので直射日光は暑いし、少しでも天気が崩れると強風で寒いし、かなりハードなレースだなと思う。その環境でスピードレースをしているので(PTLはスピードではなくタフさ競争)。

Col du Spainからクールマイユールまではほとんどすべて下り。1200mほど下るのでなかなかのきつさだが。クールマイユールに着いたらバスの調査から始まるので少しでも急ぎたいが足が痛いのであまり走れず早歩き程度。 クールマイユールに16時30分到着。

にぎやかな通りに行ってバス停を見つけ時刻表を見るがイタリア語でわからない。少なくともシャモニーとはどこにも書いてなさそう。 どこかにバスターミナルがあるはずなので上から町を見て車の通りが激しそうなところに行くとバスターミナルを見つけることができた。ツアー会社のオフィスの並びにBUS OFFICEと書いてあるところがあったので、 シャモニーに行くバスがあるか聞いたら次が最終で18時だという。間に合ってよかった!15ユーロでチケットを買って、ジュースとアイスを食べながらバスを待つ。 18時にバスに乗り、19時にシャモニー着。国境のトンネルを抜けるときに大渋滞していて時間がかかっていた。

シャモニーのバスターミナルは借りているアパートから町の中心をはさんで反対側だったのでちょっと遠い。 緊張感がなくなったところで激しく眠くなってきたので混雑する町の中心は通りたくなったがけっきょくメインストリートに入り込んでしまった。 UTMBのスタートが近づいているので日本人も多い。 コマケンさんが向かいから歩いているのを見たが、スイッチOFF状態なので気が付かないふりをして通り過ぎました(すみません!)。

■コース
Chamonix(シャモニー/フランス)→Champex Lac(シャンペ/スイス)→Courmayeur(クールマイユール/イタリア)の約100km。 UTMBのCCCカテゴリの逆パターンな感じ。基本的にPTL 2018のトラックをたどったがオフトレイルは回避している。 所要時間32時間。うち睡眠時間1時間。

最後に、レースよりも遊びのほうが充実しているようなレースをしてしまいチームメイトにお詫びします。