出発
成田からドバイ、ジュネーブを経てシャモニーへ向かう長い移動日。途中のドバイではラウンジや空港の雰囲気に旅の実感が高まり、ジュネーブ到着後は送迎車でシャモニーへ入る。家族とチームメイトもいる、にぎやかな遠征の始まり。
PTL 2017 Report
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シャモニーでの準備、PTL本戦、リタイア後のUTMB期間、そして帰国まで。2017年の遠征全体を、旧サイトのレポートへつなぐ形でまとめています。
成田からドバイ、ジュネーブを経てシャモニーへ。遠征の入口になる移動と到着の時間。
成田からドバイ、ジュネーブを経てシャモニーへ向かう長い移動日。途中のドバイではラウンジや空港の雰囲気に旅の実感が高まり、ジュネーブ到着後は送迎車でシャモニーへ入る。家族とチームメイトもいる、にぎやかな遠征の始まり。
24時間超の移動を終えてシャモニーに到着。少しだけ街を歩いて軽く夕食をとり、まずは休むことを優先する。リゾートらしい快適さの一方で、街から見上げる絶壁の山々に、これから始まる300kmの厳しさを実感する。
だらだら過ごす日、観光を兼ねた高所順応、コースの下見。レース前の時間がゆっくり整っていく。
天気が悪く、山には出ずに地図の読み合わせやGPSデータの準備、装備チェックを進める。あとは買い物と食事と睡眠で、ひたすら体を休める一日。出発してから半日寝ているような感覚のまま、レース前の静かな時間が過ぎていく。
午前はエギューイ・デュ・ミディ、午後はモンタンベールへ。観光地らしい王道コースを回りながら、標高差や氷河の景色に圧倒される。シャモニーの山の近さと大きさを肌で感じつつ、レース前の高所順応も兼ねた一日。
午前は留守番しつつGPXを整え、午後はブレヴァン側へ上がってスタート直後のコースを下見する。トレイルの雰囲気やGPSナビの感触を確かめ、レース後の宿の鍵の受け取りまで確認。準備がひと通り整い、いよいよ本番直前の空気になる。
システム仕事を片付けつつ、午後は受付、夕方は長めのブリーフィングへ。夜はUTMBで来た仲間と食事をして、最終の出発準備を済ませる。あとは寝て起きて出るだけ、というところまできた前日。
シャモニーを出て、暑さ、高所、睡眠不足、ナビの難しさに削られていく4日間。
シャモニーをスタートし、最初の大きな登りへ。暑さと給水不足で胃がむかつき、水の確保や急斜面の通過にも神経を使う。景色の良さに励まされつつも、標高3000m級の山を越えた先の大きなエイドでようやく短い睡眠を取る、厳しい初日。
たけぷーの体調不良が続くなか、山小屋ごとに飲み物を買ってだましだまし進んでいく。暑さ、登り返し、迂回ルート、チーム内のリズムの崩れが重なり、次第に余裕がなくなっていく。夜、Cabane d'Ornyでたけぷーがリタイアを決断し、2人で進むことになる大きな転換日。
次の関門まで残り13時間、巻き返しをかけて下りやロードを走り、ぎりぎりでBourg Saint Pierreに滑り込む。補給後も睡眠は十分に取れず、最後尾集団として夜の高所へ。Cabane de Velan から先はケルンを拾いながら進むパズルのようなナビ区間になり、精神的にも濃い一日になる。
強風低温の中を越えて Cabane Plan du Jeu に到着するが、最後尾グループは次の区間に入れないと判断され、ここでレース終了となる。眠気とルートミス、遅れ、天候悪化が重なった末のリタイア。あと少し届かなかったという現実を、チーム全体で受け止める日になる。
レースを終えたあとも、シャモニーの街ではUTMBの熱気が続く。見る側として過ごす数日間。
回収したドロップバッグを整理しつつ、夕方はUTMBのスタートを見に街へ。人で埋まったスタートゲート周辺はすさまじい熱気で、写真を撮るのも一苦労。走る側ではなく見送る側として、このイベントの大きさを改めて感じる。
午後はトップ選手のフィニッシュを見に行き、夕方は関係者との食事、夜は仲間のゴールを待つ。お祭りのようなフィニッシュ会場の空気は強烈で、思わずUTMBに出たくなるような魅力がある。PTLの早いチームのフィニッシュも見届ける、華やかな一日。
レースの話から少し離れて、仲間と10玉アイスクリームに挑戦する日。大きな1玉が容赦なく積まれた巨大アイスを囲みながら、食べて話して過ごす。旅の後半が、レースの結果とは別の濃い時間へ変わっていく。
たまった仕事を片付け、夕方はたけぷーとシャモニーの山へトレランに出る。街を見下ろしながら1300mを登り、地元のコースタイムの厳しさも実感。UTMB期間の人波が去り、街が普通の表情に戻っていくのを感じながら、少しずつ日常へ寄せていく一日。
モンタンベールからシャモニーへ下る、のんびりした最終日ハイキング。景色を見て、花のある山小屋でお茶をして、夕食はチーズフォンデュ。レースだけでなく、働き方やこれからどう生きるかまで深く話し合えたことも含め、この旅全体の意味が静かに残る日。
アパートを引き払い、日本へ戻る。旅とレースの余韻を抱えたまま日常へ戻っていく。
午前中に部屋を掃除して荷造りを済ませ、シャトルでジュネーブ空港へ向かう。帰りのフライトは順調で、成田では家族が迎えてくれていた。観光を詰め込む旅ではなく、自分の足で長く歩き走ることで土地を強く感じる――そんな旅の良さを改めて確かめながら、遠征が閉じる。