南アルプス山岳記録 2011/08/13(土)〜14(日)
【2日目】百間洞山の家〜聖岳〜茶臼小屋〜畑薙第一ダム
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朝は明るくなってから行動開始。小野くんはエマージェンシーシートのみのビバークはあまりにも寒くて
ほとんど眠れなかったみたい。
それだったらもしかしたら出発してしまって夜が明けてからどこかで仮眠したほうがよかったのかな?
昨日着ていた湿ったウェアに着替えて動きだすのは少し勇気が必要だったが思い切って着替える。
出発前に小屋で暖かいものが食べられればと思い、聞いてみるとカレーならあるという。
カレーをお願いして食堂で待っていると、小屋の人に食べ物は持ってきているのか、
山小屋は通常はこんなに朝早くに(宿泊者以外の)食事の用意はしない、など口調は柔らかいながらお説教をされる。
もちろん予備の食事は持ってきているけど・・・まあ無謀な超軽装登山であることは否定しません。
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6時20分に百間洞山の家を出発して中盛丸山へがっつり登り。出だしこそ体の動きが悪く不調な感じだったが
体が温まってきたら調子も上がってきた。キャンプ地で動いていないときに調子が悪いとか脚が痛いとか思っていても
動きだしてしまえば意外と大丈夫だと思った。心の問題だけど目標の下方修正やエスケープを考えるよりも
まず少し体を動かしてしまった方がいいかもしれない。
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激斜面を登り切って再び稜線に出ると昨日と違って素晴らしい景色。
富士山が意外と大きく見えるし北側は北アルプスまで見えている。
日差しも暖かく・・・というかすでに暑く、少し前まで沢のキャンプ地で寒さに震えていたとは思えない。
体の動きも良くなったが、今日も夕方までたっぷり動かなければいけないので、
ペースは抑えて体力温存の方向で。兎岳(標高2810m)を8時10分通過。
一度標高を下げた後の聖岳(標高3013m)は
壁のような登りだったが、それほど体のダメージを感じることなく山頂へ9時30分到着。
景色がいいおかげで気持ち良く登れているのだろうか。
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聖岳の山頂で少し景色を堪能して聖平小屋に降りて行こうとすると小野くんが登山者(ちょっとトレイルランナーっぽかった?)
と話をしていて自分のほうを指し「この人は砂漠とか走っています」と言うと
「あ!テレビで見ました」と言う。せっかくだからと一緒に写真を撮って別れる。
聖岳からの下りは急斜面。じぐざぐに登山道が付いている。小野くんは軽快に走っていくが
自分はまだ先のことを考えて温存モード。聖岳を越えて今回の大きな山は終わったけど
今日の道のりとしてはまだ序盤・・・始まったばかりだ。
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聖平小屋に10時45分到着。ここで昼食にする。
ここからは予定通り茶臼岳に向かって縦走してから畑薙第一ダムに降りる登山道の他に
赤石ダムに下山して林道で畑薙第一ダムに行くコースを選ぶことができる。
自分が慎重に体力温存していることもあって、小野くんに「行きますか?降りますか?」と聞かれるが
意外と調子もいいしエスケープしてしまうとTJARに出ることになったら、ここから南のわずかな区間だけ
もう一度下見に来る必要が出てくるかもしれない。それだったら今回一気にがんばってしまったほうがいい。
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小屋の前で出発の準備をしていると小野くんと女性登山者が話をしています。
小野くんけっこういろんな人と話ししてるね。自分も話に加わると女性登山者に「テレビに出ていませんでしたか?」と聞かれる。
登山者って砂漠レースに興味を示すのか?それからしばらく砂漠の話をして12時ごろ出発。
南岳への登山道は下から見上げるとけっこう長いし登るなという感じ。
最初は樹林帯の登山道だったが、すぐに森林限界を越えて岩場になる。
南岳は山頂を大きく巻いて平な草原みたいなところを通った。
次の上河内岳へは今回の行程での最後のまとまった登り。そろそろ体力温存しなくても最後まで確実に行けそうだなと感じ始める。
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上河内岳まで来ると先に進む正規の登山道は山頂を通らずに素通り。山頂に行くにはピストンで20分と登山地図に書いてある。
行く必要はないのだが、せっかくなので上河内岳の山頂を踏んで行くことにする。
荷物を登山道の分岐に置いて身軽に標高差100m弱くらい登る。山頂は景色が素晴らしく今回たどったコースが全て見えていた。
改めてよく2日間でこれだけの山をまわってきたなと満足する。
上河内岳を後にして、あとは茶臼小屋まで下り基調と思ったらちょっとした登り下りを繰り返し
全然登り最後じゃないと思った。茶臼小屋で少しだけ腰を降ろしてジュースを飲み14時30分下山開始。
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もう体力温存する必要はないので下りもしっかり走る。暗くなる前に下山完了できることも確実だし気が軽い。
かなり下界に近づいたところで4日前に駒ヶ根からスタートしたたいすけさんに追いつく。
せっかく出会ったので下の林道に出るところまで一緒に行くことにする。
雰囲気的には林道はすぐそこという感じだが吊り橋をいくつも渡り尾根を乗り越えるために登ったり降りたりして
なかなか林道に出ない。この吊り橋区間は疲れていると(TJAR本番では)かなり精神的にやられそうだ。
最後にダム湖に架かっている大きな吊り橋を渡って林道に出る。ここでたいすけさんと別れて走って畑薙第一ダムの駐車場へ行く。
たいすけさんはここから80km以上歩いて静岡駅にフィニッシュする予定。
まだ携帯電話は当分圏外なのでたいすけさんからミオさん(奥さん)に無事であるとの伝言を預かった。
林道を走って駐車場に向かう。5kmもないと思うのだが、途中できつくなって「ちょっと歩こう」と歩くこと2回。
山の後のロードってけっこうきつい。駐車場に17時ごろフィニッシュ。
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すぐに温泉に直行。温泉は日帰りは18時までとのことでぎりぎり入れてもらえた。
TJAR本番でも18時前に来れば温泉に入って行けるということだ。
この温泉は地元のTJARランナー望月さん(2010年優勝)を熱烈に応援しているようで
TJARのレースのことが貼り出されていた。温泉の後はやぱり焼き肉食べたい!ということにしたが
高速道路のほうまで行かないとお店がないので長いドライブ開始。80kmほど山道を車を走らせようやく普通にお店のある場所まで来る。
無事においしい焼き肉を食べることができて満足。帰りが遅くなったので渋滞もそれほど酷くなく帰宅することができた。
といっても終電の時間を過ぎてしまったため小野くんに自宅まで送ってもらうことになった。
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南アルプス全体を通して特徴的だと思ったのは水場が多いこと。
よく行く北アルプスではだいたい水は1リットル200円とかペットボトルのミネラルウォーターだと500mlで500円とかするが
南アルプスでは山小屋で水は売ってなく近くの水場(蛇口があるところも多い)で自由に使うことができる。
■本日の成績
行動時間 : 9時間25分(標準比:56%)
標準タイム:16時間45分
休憩時間 : 1時間15分
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