北アルプス山岳記録
2010/08/07(土)〜10(火)
【3日目】薬師峠キャンプ場〜太郎平〜北ノ俣岳〜黒部五郎岳〜黒部五郎小屋〜三俣蓮華岳〜三俣山荘
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5時ごろ起床。今日はトランスジャパンアルプスレースの追っかけがあるため予定の6時に出発したい。昨日の夕方から天気が悪かったため(雨は少しで済んだけど)洗っておいた日中行動用のシャツとズボンが濡れたまま。今日は長袖シャツとタイツ(キャンプ地用)でスタートして洗濯物をザックの外側につけて乾かそうと考えたが今日雨に降られてしまうと次のキャンプ地で乾いている服装がなくなってしまう。とりあえず動いて暑くなるまでの我慢だと濡れた服の上にレインウェアを着て防寒する。靴下も濡れているのでメッシュ靴下を履いた上に濡れた靴下を履く。このメッシュ靴下は濡れた時に足がふやけてマメができたり皮膚が破れたりするのを防いでくれるというもの。どのくらい効果があるか?
朝食はガス燃料がわずかなのでお湯を沸かさないと食べられないラーメンを選択。2食分食べてしまうことにし、1杯目のラーメンは汁を飲まずに素早く食べ、まだ暖かい汁を再度火にかけて2杯目のラーメンを作る。撤収に手間取って6時半出発。30分の遅刻だ。起きてから朝食と撤収で1時間以内にできるようにしたいところだ。
キャンプ地を出るとすぐ前にトランスジャパンアルプスレースランナーを見つけた。「友達が出場しているんです」と話しかけると「たいすけさんなら自分より1時間ほど前にいると思います」との情報。「しまった一応追いかけるか?」と思いつつ、動きだしてすぐに暑くなったので太郎平小屋でレインウェアを脱ぐ。ペースを上げて黒部五郎岳方面へ走る。今日は東側は天気がいまいちだが西側は晴れていて富山の市街地や日本海が見えている。北ノ俣岳前後で4人のトランスジャパンアルプスレースランナーを抜かしてさらに前を追うが前が見えてこない。
黒部五郎岳の山頂手前で「さすがにこれより前には行っていないだろう」と判断し急ぐのをやめて黒部五郎岳山頂でのんびりすることにする。黒部五郎岳から黒部五郎小屋までは稜線ルートとカールルートに分かれているがカールルートが一般的と登山地図に書かれているので分岐に荷物を置いて手ぶらで山頂に登る(山頂は稜線ルートの途中)。山頂はとにかく展望が素晴らしくいくらいても飽きず立ち去り難い感じ。今までの山の景色の中でも一番かもしれない。かなり長い時間山頂を楽しんでからカールルートへ降りて行く。 カールルートは石がごろごろしていて気をつけていないとルートを見失ってしまう。黒部五郎岳が頭上にそびえたっていてすごい迫力。黒部五郎岳から黒部五郎小屋は名前も同じだし下るだけだからすぐに到着するんじゃないかなという気分(実際は地図で見れば離れているのは一目瞭然)だったが1時間もかかってしまった。
黒部五郎小屋に到着するとトランスジャパンアルプスレースランナーが3人カレーを食べていた。たぶん北ノ俣岳で抜かしたランナーに山頂で遊んでいるうちに逆転されたんだと思う。この壮大なレースにチャレンジするだけに3人の方はいい仲間という感じで、その中に入りたくて無理やり話しかけて話に入る(笑)向こうからすれば「何だこいつ」(妙に事情に詳しいし)といったところだと思うが「たいすけ氏を待っているんです」と言うと「ああ、アドベンチャーレースの人ですか」と理解してくれ、いろいろと話をすることができた。
たいすけ氏は昨日の野営で「何時だと思っているんだー!」と怒られていたそうです。もちろん1人のせいではなく皆がレース中の仮眠のために真夜中にテント場に出入りしていたからだけど。たしかに序盤は選手もばらけずに次々と来るから普通の登山者には若干迷惑になるかも・・・。ここでたいすけ氏はまだ後ろにいるはずという情報をもらったので自分はここで待機することにする。3人を見送ってから30分くらいでたいすけ氏到着。
ほぼ予定通りにここまで来ているようだ。しかし「2日目にしてもうヘタレてるんですけど」と言っている。昨日は21時間行動したようだ。でも自分だったら21時間行動したら次の日は意識失っているな—と思う。おしゃべりしながらたいすけ氏の昼食終了待ち。出発準備中に女性ランナーが到着した。おそらく最後尾だろうか?13時ちょっと前に黒部五郎小屋を出発。
このレースでは選手との並走やサポート行為は禁止されている。そのため黒部五郎小屋でたいすけ氏に会ったのも偶然でなければならず(そのためどこで待つなどあらかじめ決めていない)、ここから少しの間並走になるのも偶然行く方向が同じでペースが合ったということにしなければいけない。あとは個人の信用の問題。アドベンチャー系のレースでは審判がいつも見ているわけにはいかないので自分自身のモラルに従って行動する(自分自身が審判)必要がある。自分の登山計画書では今日は双六小屋でテント泊にしようと思っていたが、明日の帰りが面倒なことになるのと、いずれ行ったことのない新穂高方面に行こうと思えば双六はコースに入るので今回行かなくてもいいかと思い三俣山荘を目指すことにした。
たいすけ氏の数メートル後ろを三俣蓮華岳に向かって歩く。「登れなくなってきた」とつらそうな割には足取りもしっかりしていて普通の登山者よりは全然速い。ペースは厳しくないけど毎日20時間の行動を続ける中でこのペースはやはり無理だなと感じる。ときどきおしゃべりしつつ、しかし選手の行動に影響を与えるような発言はしないように注意する。(そんなささいなことで影響されたりしないだろうけど)
途中から急激に曇ってきて雨が降ってきたので上着(レインウェア)を羽織る。山小屋では雷の予報も出ていると聞いていたが、いかにも雷が発生しそうな雰囲気にはなってこない。雨だけで済むように祈りながら三俣蓮華岳を目指す。三俣蓮華の手前で上から降りてきたおじさんが「子熊を見たから気をつけろ」と教えてくれた。多少緊張もするが熊に遭遇することなく三俣蓮華岳山頂に到着。三俣蓮華岳は長野県・富山県・岐阜県の県境になっている。
たいすけ氏と山頂での写真を撮り合ってから双六方面の分岐まで見送りに行く。「いってらっしゃーい」と声を掛けて送り出した。たいすけ氏は深夜に上高地に到着する予定。自分はここから三俣山荘方面へ下る。下に降りたら雨も止んで今日もテント泊で問題なさそう。しっかりしたテントなら雨でも問題ないのだが自分はツェルトなので悪天候のときは山小屋に逃げ込むことになる。
14時半ごろ三俣山荘に到着し食堂で食事できるかを確認。食堂営業時間が15時までだったので先に食事をすることにする。夕食にはあまりにも早いが燃料がなく暖かい食事を作れないので食べれるときに食べておきたいと思った。明日は下山するのみなので(遠いけど)豪勢にビーフカレーとマロンケーキを注文。豪勢にしても小屋泊は1泊2食で8000円以上するのに対しテント場は500円で利用できるので食べたり飲んだりくらいは好きなようにしても安上がりになるので気が楽です。
テントの利用申し込みをしてからテントの設営をし着替えをする。朝濡れている服装でスタートするという判断はよかった。乾いた服を着て気持ち良く休める。2日目が終わった時点でちょっとまずい雰囲気を出していた足裏のダメージはすっかりなくなり回復しているようだ。今日使ったメッシュ靴下が良かったのかな? 石の上に座ってぼーっと目の前の鷲羽岳を眺める。鷲羽岳は明日の朝最初に登る山で三俣山荘を出るとすぐ登りになる。かなりの急斜面の山が目の前で圧倒的な存在感を放っている。今日は行動時間・距離は短かったのだが早めに眠気がやってきたので明日に備えてさっさと就寝。下界に降りるのが待ち遠しい。
■本日の成績
行動時間 :5時間39分(標準比:59%)
標準タイム:9時間35分
休憩時間 :2時間23分
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