アタカマ・クロッシング
2011/03/09(水)
Stage4 The Infamous Salt Flats(42.8km、6:48'48、8位)
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朝はいつものようにブリーフィングには間に合わずテントの中でパッキングしながらブリーフィングがおこなわれているのを聴く。 というより今日は本気でスタートに間に合わなくなりそうになった。今日のコースハイライトはアタカマ塩湖横断。 ごつごつの溶岩のような地面が10km以上続くセクションがある。今日は一昨日・昨日と後半に抜かされた”速歩き”ラルフをマークしてみることにした。 どのようにレースを進めているのか、そして歩き方をコピーして自分の走りに役立てたい。
スタート直後ついていくといつも歩いている姿しか見ていないラルフが走った! 一昨日・昨日とCP1過ぎで歩いているラルフを走って抜かし、CP3くらいで歩いているラルフに抜かされているので、 最初は走っているんだろうなと思ってはいたが、やっぱり走っている(当たり前か)。 地面を蹴れるところは走って少しでも足場が悪くなると歩きに切り替える。走りも速いぞ。 この方法でずっと走っているトップ2のすぐ後ろに付いていく。
さすがにペースが速いのでついていけなくなるが歩きのイメージを真似して進む。最初にハイペースで前に出てしまったので 上位を狙う選手に次々と抜かされる。自分も普通に走っていればCP2〜CP3あたりで彼らと前後するのだが、 今日は抑えて明日に備えるのでお先にどうぞという感じ。CP1の手前で深い渓谷があり砂地の激しい下り。絶景ポイントで写真を撮りまくっているうちに かなり抜かされて、佐藤くん、荒井くんと一緒になる。崖の上を見上げると驚いたことに岩瀬さんまでやってきた。 さすがに遊びすぎたかなと思い、谷底の植物が生い茂っているところで少しペースを上げてCP1へ12位で到着。そんなに悪いポジションではないな。
CP1でシューズ・ソックスを脱いで砂を落とし、佐藤くん・荒井くん・岩瀬さんと奇跡の4人が揃ったので一緒に写真を撮ってから出発。 岩瀬さんは砂丘下りが楽しかったようで(確かに楽しいけど)「全部ディフィカルトだったら面白いのに」とか言ってましたが・・・本当にそうだったら死ぬよね。 コースは区間ごとに難易度が示されている。普通・難しい・超難しいの3段階くらい。レースによっては簡単もあるのか? 佐藤くんと一緒に走りトコナオの集落へ入る。CP1で写真撮ったりしているうちに、また順位が下がっているので、ちょっと上げたほうがいいかなと思うが すぐ前にいつも終盤に前後するアシュカンがいるので「そんなに急ぐ必要はない。街の中はピンクフラッグが見つけにくいから前に出ず集団でいたほうがいい」と判断する。 街を抜けてからCP2への緩い下りの荒地で少しずつペースアップ。
アシュカンもやっぱり自分と同じくらいの力を持っているようで、 選ぶラインが少し違って近づいたり離れたりするもののほぼ並走している。 そのまま前のランナーを捕らえて順位も上がっていく。それから、やっぱり歩いている”速歩き”ラルフもここで追い抜く。 こっちが走っていれば抜かせるんだよな。 ”速歩き”ラルフはいつも序盤は前にいて、後半もそんなに落ち込まないのに真ん中が比較的ゆっくりなのはスタミナに自信がないのだろうか。 毎日同じ展開なのでちょっと不思議に思う。
CP2でもう一度シューズ・ソックスを脱いで砂を落とす。両方のかかとの皮膚がめくれて血が出ている。右足内側には巨大な水ぶくれ。 CP2を”速歩き”ラルフと同時に出る。ここから13kmほどアタカマ塩湖の走りにくい地面が続くので歩き対決だ。 黙々と速歩きを続ける。”速歩き”ラルフは少し遅れている。CP2で抜かされた女性2位のアンジェリークに追いついた。 アンジェリークは少しでも走れるところがあると走るのだが歩き始めるとすぐに追いつける。 自分が”速歩き”ラルフにやられていたのとまったく同じ展開だ。 なんかアタカマ塩湖の真ん中で普通にタイツ下ろして用を足していました・・・。 疲れてきている中で上位を目指しているとだんだんそうなりますよね。
塩湖の途中で濃い緑色の水路(小川?)があり「深いかな?」と思ってそっと足でつつくとまったく深さはなく歩いて渡っても濡れない。 2度目に同じような水路があったときに同じくらいだろうと思って普通に走っていったらバシャっとなって濡れてしまった。 小川の後で佐藤くんと撮影していたコマケンさんが追いついてきた。佐藤くんはCP2を出るときに前に自分の姿を見ていて 長い時間をかけて少しずつ詰めてきたらしい。コマケンさんに「追いつかないんですか?」とも言われたらしい(笑) 少しの間、自分・佐藤くん・コマケンさん、そして少し前にアンジェリークという集団で進む。 アタカマ塩湖が終わりな感じになってきて走れる道になったので走り始めると佐藤くん・アンジェリークはついてこなかった。
CP3に到着し水だけ補給する。「あと6kmですよね」と確認し出発。出発するときに佐藤くんとアンジェリークがCP3に到着。 残りは未舗装&舗装の平坦な道なので気持ち良くペースを上げていく。昨日・今日と歩き主体で温存しているので脚も軽くなってきている。 たぶんkm5分半くらいで走り、前に見えてきた男性選手2人、さらに前にいた女性1位のナヒラを抜かしてゴールする。順位はわからなくなっていたのだが8位だった。 今日は前半はしっかり遊んで後半無理なく順位を上げてゆとりを持ってゴールという思い通りの展開ができ非常によかった。 今日は上位対象の装備チェックもおこなうようでゴール後すぐに装備品のチェックがおこなわれた。 今日は佐藤くん14位、荒井くん19位と日本人バリバリ走る系選手が順位を上げてきた。
キャンプ地の横はアタカマでは珍しい真っ白な塩湖になっていて素晴らしい景色だった。 さっそく塩湖の上を歩いて遊ぶ。塩の結晶がきれいで細かく裸足で歩ける。 デジカメを塩湖の上に置いて低い視点で写真を撮るとウユニ塩湖っぽい真っ白な世界の写真が撮れて面白い。 夕方になると観光バスで観光客もやってきてにぎやかになった。夕食にここまで温存できた「さんまの缶詰」を投入。 筋肉痛もすっかりなくなったし明日のオーバーナイトは楽しみ。今回は上位グループの時間差スタートはおこなわないことになったのがちょっと残念。
ここまで選手へのEメールメッセージをたくさんの人からいただいていた。大会HPから各選手宛にメッセージを送ることができ 送られてきたメッセージはエクセルファイルにまとめられてサイバーテントのPCで見ることができる。 全選手分が1ファイルになっていて宛先が自分になっているものを検索するのでプライバシーはありませんが、人のメッセージを盗み見るほど暇な人もいないでしょう。 サイバーテントのPCには日本語が入っていないので日本語で送った人のメッセージは宇宙語になっていますが、差出人がわかればメッセージくれたんだーということが わかるので内容は読めなくても力になります。
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