ユーコンへ
最後の追い込みで大量の荷物をまとめ、成田からバンクーバー経由でホワイトホースへ向かう長い移動日。現地では主催者やサポート陣と再会し、夕食を囲みながらこれからの動きを確認する。41時間続いた1日が、極地遠征の始まりを強く印象づける。
Yukon Arctic Ultra 2016 Report
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ユーコン到着からホワイトホースでの準備、レース本番、ドクターストップ後の滞在、そして帰国まで。Yukon Arctic Ultra 2016 遠征の各日の記録を、旧サイトのレポートへつなぐ形でまとめています。
日本を出発し、ホワイトホースで装備確認と環境順応を進める。極地レースへ入る前の助走区間。
最後の追い込みで大量の荷物をまとめ、成田からバンクーバー経由でホワイトホースへ向かう長い移動日。現地では主催者やサポート陣と再会し、夕食を囲みながらこれからの動きを確認する。41時間続いた1日が、極地遠征の始まりを強く印象づける。
昼過ぎまで休んだあと、街を一周して買い物を済ませ、主催者からソリやハーネス、シュラフを受け取る。コース上のオーバーフローやスパイクの必要性など、レース環境の厳しさも少しずつ具体的になる。まだ静かだが、準備は確実に本番へ向かって進んでいく。
フィッシュレイクからホワイトホース側へ5時間ほど歩き、ウェア調整、火起こし、衛星携帯、グローブのベイパーバリアまで実戦形式でテストする。快適さと安全性の両立がいかに難しいかを再確認しながら、極寒で動き続けるための感覚を整えていくトレーニング日。
朝のブリーフィングでコースや運営情報を確認し、地図とSPOTを受け取る。午後はホワイトガソリンの受け取りと装備チェック、ストーブ着火確認まで一気に進み、レース仕様へ切り替わる。聞き取りづらい英語の中でも必要な情報を拾い、ようやくスタート前日らしい緊張感が出てくる。
ホワイトホースを出て、75km、151km、184km、278km、308kmへ。寒さ、眠気、足のトラブルに削られていく本戦。
ホテルをチェックアウトし、シップヤードパークから長いレースがついに始まる。序盤からソリを引いて進み、去年の反省を活かしながら慎重にリズムを作る。まだ余裕はあるが、ここから何日も続く極地行動の入口に立ったことをはっきり感じる初日。
ビバーク明けにDog Grave Lakeを経由して、ようやく目標のブレイバーンへ向かう長い1日。距離感の誤算、夜の眠気、幻覚、寒さが重なるが、最後はれなっちとの電話で意識を立て直し、自分の足でCP3ブレイバーンへ到着する。今回の大きな目標の一つを達成する節目の日。
短い睡眠のあと、ファビオにもらったワックスや海苔を手に再出発。次の区間に向けて装備を入れ替え、ブレイバーンからコフランレイクの少し先までを進む。行動時間は短いが、先へ進む意思を維持しながらリズムをつなぐ一日になる。
前半は進み続け、ようやくカーマックスに近づいていく長い区間。足の状態を気にしながらも、できるだけ睡眠を削って前へ進み、次の大きな到達点を目指す。後半の展開を左右する重要なつなぎの日。
カーマックスを深夜に出発するが、チタンマグ紛失騒動、強烈な眠気、足裏の悪化が一気に重なる。走っているつもりで立ったまま寝落ちし、幻覚も濃くなっていく中、最終的にスタッフの判断でスノーモービルに乗せられレース終了となる。ゴールまで約180kmを残した、悔しいドクターストップの日。
McCabe からホワイトホースへ戻り、装備整理と回復、仲間との時間の中で遠征を受け止めていく。
McCabe で一晩休んだあと、ペリークロッシング経由で車でホワイトホースへ戻る。途中では300マイルのフィニッシュゲートを眺め、自分の足でそこへ行けなかった悔しさを改めて感じる。戻った夜には、レース中に考えた子どもの名前を電話で報告し、静かに遠征の意味を整理し始める。
大量の洗濯物を一気に片付け、部屋で米を炊き、焦がして火災報知機まで鳴らすという、いかにもレース後らしい生活日。観光らしいことはほとんどせず、ひたすら装備と日常の立て直しに時間を使う。力尽きるまでレポートを書き続ける、静かな回復日。
完走率の高さを横目に、衛星携帯の返却、余ったホワイトガソリンの処理、街での買い物、装備の洗浄といった後片付けを進める。打ち上げパーティには行かず、部屋でサーモンと海苔の夕食。レースの熱気から少し距離を置き、自分のペースで遠征を畳んでいく一日。
ハイカントリーインで3人でお茶をするつもりが、そのまま夕食まで流れ込み、結局8時間もしゃべり続ける一日になる。ゴールデン桜で寿司を食べながら、レースやユーコン生活の話をゆっくり交わす。競技を離れたあとだからこそ残る、人との時間の濃さが印象的な日。
日曜で閉まっている店が多い中、ダウンタウンを歩き、頼まれていたベビー服を買い、帰国前の最後の買い物を済ませる。自力でタクシー予約の電話にも挑戦し、海外で自分で何とかするというもう一つの課題もクリアする。静かな街歩きの中で、旅の終わりが近づいてくる。
ホワイトホースを発ち、バンクーバーを経て日本へ。極寒の遠征がようやく日常へ戻っていく。
朝のタクシーで空港へ向かい、櫛田さんや杉本さんと最後のコーヒーを飲んでからホワイトホースを発つ。バンクーバー経由で成田に着き、空港でラーメンを食べ、バスで帰る途中は爆睡。自宅の風呂に入り、ようやく極地レースの遠征が日常へ接続される帰路。