6633 Arctic Ultra 2017 レポート一覧
Adventure Runner

6633 Arctic Ultra 2017 Report

レポート一覧

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出発からホワイトホースでの準備、イーグルプレインズからタクトヤクタックまでの本戦、フィニッシュ後の移動と帰国まで。6633 Arctic Ultra 2017 遠征の各日の記録を、旧サイトのレポートへつなぐ形でまとめています。

出発とホワイトホース滞在

日本を出発し、ホワイトホースで装備確認と環境順応を進める。レース前の静かな助走区間。

3/3

出発

成田からバンクーバー経由でホワイトホースへ向かう長い移動日。ソリの超過料金、極寒の街への到着、主催者との再会、スーパーでの買い出しまで、遠征の現実が一気に立ち上がる。深夜にはオーロラの様子も見に行き、極地レースの入口に立つ。

3/4

ホワイトホースぶらぶら

町を歩いてホワイトガソリンや防水マッチを買い、アイスクリーム屋や土産店も巡る。観光というより、寒さや街のリズムを体に馴染ませるための一日。翌日の自主トレ予定も変更になり、まだ本番前の余裕が残る時間が続く。

3/5

装備のテスト

マイナス25度の中でバラクラバ、ゴーグル、ハイドレーション、カメラ類を実戦形式で試す。曇りや凍り付き、圧迫感、機材の低温耐性など、事前に潰しておきたい課題が次々に見えてくる。極寒レースで何を信じて持っていくかを決める大事な試走日。

3/6

心の準備

取材対応や買い物、仲間との食事に加えて、イヌビックにいるリヤカー冒険家から3時間近いレクチャーを受ける。風、地形、危険箇所の話を聞くほどに、レースの過酷さが具体的な恐怖として迫ってくる。開き直りに近い覚悟を固める前日手前。

3/7

装備チェック・ブリーフィング・前日トレーニング

ホテル移動、必須装備チェック、ブリーフィング、ソリを引く実地練習までを一気にこなす慌ただしい前日。ストーブやソリのナットに小さなトラブルはあるが、ぎりぎりで修正して本番仕様に整える。あとは北へ向かうだけの状態まで準備が進む。

3/8

ドーソンシティへ移動

ホワイトホースから550kmを車で北上し、ドーソンシティへ。移動そのものがもう極地遠征の一部で、道中の景色にも北へ向かっている実感が濃くなる。夜は有名な Sourtoe Cocktail の儀式にも参加し、観光と通過儀礼が混ざる一日。

3/9

イーグルプレインズへ移動

さらにデンプスターハイウェイを進み、レーススタート地点のイーグルプレインズへ到着。途中の景色は素晴らしいが、木の少なさや風の通りやすさから、ここから先の環境の厳しさもはっきり見えてくる。ソリをスタート仕様に整え、いよいよ本番前夜。

レース本編

イーグルプレインズから北極海のタクトヤクタックへ。寒さ、風、眠気、幻覚を越えて進む本戦の核心。

3/10 Peak

レース1:イーグルプレインズ〜アークティックサークル

朝9時にスタートし、長い下りとアップダウンを越えてアークティックサークルを目指す。序盤は体力に余裕があり、順位も一時3位まで上がるが、汗と疲労で体温管理の難しさが早くも出てくる。予定に近いタイムでCP1へ入り、極地レースの本当の始まりを感じる初日。

3/11

レース2:アークティックサークル〜ジェームスクリーク

CP1を出ると夜の寒さと汗冷えが一気に厳しくなり、予定通り早めのビバークを入れてボーダー越えに備える。オーロラを見ながら再出発し、ノースウエスト準州との境界では強風と機材トラブルにも遭う。それでも最大の難所を越え、ジェームスクリークへ予定以上の余裕を持って到着する。

3/12

レース3:ジェームスクリーク〜フォートマクファーソン

CP2を出てオーロラの下を進み、雪が積もるなかで長い下りと平坦区間をこなしていく。明け方の眠気で短いビバークを入れ、凍った川を渡り、平地の続く終盤へ。足のむくみや眠気は増すが、ほぼ見積もり通りでフォートマクファーソンにたどり着く。

3/13

レース4:フォートマクファーソン〜ツィーゲーチック

装備と足裏を整えて夜のうちに再出発。尾根状の道と風の通り道でビバーク場所を探す苦労が続き、取材車に睡眠を邪魔される一幕もある。明るくなってからはマッケンジー川を渡り、小さな集落ツィーゲーチックへ。地味に削られる区間だが、着実に前へ進む日。

3/14

レース5:ツィーゲーチック〜カリブークリーク

真っすぐすぎる道、オーロラ、マイナス30度の冷え込み、除雪の壁の陰でのビバークと、単調さの中に極地らしい厳しさが詰まった区間。終盤ではCPを見落として3km通り過ぎるミスもあり、スタッフに回収されて戻ることに。それでもまだ行けるという感触を残してカリブークリークへ入る。

3/15

レース6:カリブークリーク〜イヌビック

短い区間だからこそ早く抜けたいが、明け方には今回最強のマイナス37度に見舞われ、顔と手足の冷えが一気に厳しくなる。朝焼けとともに動きが戻り、空港や分岐を越えてイヌビックへ。最後の市街地CPにたどり着き、いよいよ残るはアイスロードだけになる。

3/16〜17

レース7:イヌビック〜スイミングポイント

ここが勝負区間と定め、休憩時間を削って夜のアイスロードへ入る。広く凍った道で走りを交えながら進み、日中は透明な氷の景色に見とれ、夜には幻覚と眠気に揺さぶられる。最後は明かりを追いかけるように進み、28時間行動でスイミングポイントへ。完走が現実になる大きな一日。

3/17〜18

レース8:スイミングポイント〜タクトヤクタック

最終区間は寝坊で出遅れるが、完走と順位を意識しながら最後の力を使い切って進む。ピンク色の雪原、オーロラ、アイスロードのひび割れ、幻覚のように遠のく街明かりを越えて、ついに北極海のタクトヤクタックへ。566km、185時間32分、6位での完走という結末にたどり着く。

フィニッシュ後

タクトヤクタックから南へ戻り、閉会、後片付け、ホワイトホース滞在、そして帰国へ。極地遠征の余韻を回収する後半。

3/18

イーグルプレインズへ移動

フィニッシュ後は学校の体育館で少し休むが、すぐに撤収となり朝のうちに南へ向けて車移動。イーグルプレインズに戻ってからはようやく気を抜ける時間ができ、夜には迫力あるオーロラも撮影する。完走後の満足感が、静かに実感へ変わっていく日。

3/19

ホワイトホースへ移動

イーグルプレインズから約1000kmを一気に南下してホワイトホースへ戻る。車中ではレースを振り返るためのメモを書き、到着後はホテル移動とまともな夕食でようやく人心地つく。足裏も驚くほどきれいで、体のダメージが少ないことにも驚く一日。

3/20

閉会のパーティ

取材インタビューを受け、仲間やサポートチームと話し、夜はアットホームな閉会パーティへ。完走者もリタイア者も区別なく称えられる独特の空気の中で、レース全体がようやく一つの出来事としてまとまる。次は2年後の430マイルか、という考えまで浮かび始める。

3/21

後片付け

買い物と洗濯、荷物整理、帰国後の仕事の準備まで進め、遠征を日常へ戻すための後片付けに徹する。レース用のソリもホワイトホースに預け、しばらくユーコンのことを考えなくていいという安堵と寂しさが同時に残る。旅の余韻を静かにたたむ一日。

3/22〜23

ホワイトホース発、バンクーバー経由で帰国

早朝にホワイトホースを発ち、バンクーバーでレポートを書き進めながら日本行きの便を待つ。翌日、成田に着いて家族と合流し、ようやく壮大な遠征が終わる。極地レースの緊張から離れ、自宅へ戻った瞬間に旅全体の重みが静かに落ち着く帰路。