今日はグレイマウンテンに行く。滞在中のリバーデールからは10km程度なのですべて自走でも行けるがようこさんが学校に行く時に車で入れるところまで送ってくれることになった。12時ごろ登山開始。グレイマウンテンの南側にある電波塔まで行きそこから北に向かって稜線を進んでグレイマウンテンへという道を選択した。登山といっても電波塔までは林道に雪が積もったような場所を歩いて行くことになる。距離は遠回りだが歩きやすいし傾斜はきつくない。
途中までは車のタイヤ跡があったが途中からなくなり人の足跡が少し残っているところもあったが、最近は人は入っていない感じだった。電波塔は稜線に立っていて電波塔に到着すると山の向こう側の景色が見える。どこまでも人の手はほとんど入っていないであろう(実際どうかは知らないけど)自然が広がっていて圧倒される。
今日は風が強く稜線に上がると気温はそんなに低くないと思うがかなり寒く感じる。あとから調べた天気予報(おそらく実績値?)によると体感気温はマイナス10度以下になっていたようだ。
シューズはモカシンのテスト(先住民族ポリーンさんに借りたもの)、ソックスはメリノウールソックス1枚、SKINSのタイツにアルパインガイドパンツと薄めの装備。氷点下の稜線で風に吹かれると寒い。食料お湯もそんなにたくさんは持って来ていない。
電波塔からグレイマウンテンまでの稜線はすべて見通すことができ、GREY MOUNTAIN SUMMIT TRAILと書かれた案内が立っている。トレイルと思われる方向には人の入った形跡はまったくない。そちらに足を踏み入れると脚の付け根近くまでずぼっと落ちた。スノーシューを持って来ていたので電波塔のそばの吹き溜まりの影で装着。柔らかいモカシンに付けれないかもと思ったがなんとか大丈夫そう(適しているとは言えない)。コーンスープを2杯飲んで給水兼エネルギー補充完了。距離も標高差も大したことないのでなんとか行けるかも。
トレイル(まったく跡がわからないが)に入ってみるとスノーシューでも膝上くらいまで雪にはまる場所がある。これだとかなり時間かかりそう。また山頂からはようこさんが登ったことがあるというロードからの距離の短いトレイルを下るつもりでいたが、もしかしたら山頂からの下りもトレイルがわからないかもしれない。その場合、危険箇所があるかもしれないため、稜線を戻ってくる必要があるかもしれない。加えて使い慣れていないモカシンを履いている。ということでいろいろ不安なのでやめることにした。
ようこさんが登ったことがあるという登山道もけっこう等高線が詰まっているし、この積雪では登るのは大変(困難)だと思う。たぶん市民のお手軽トレッキングコースなのは夏の話で、冬に登る山ではないのだと思った。フィッシュレイクに行くトレイルをソリを引いて歩いていた時はスノーモービルのトレイルがたくさんあり、それを外さないように歩いていたから可能だったわけで、こちらの山にはスノーモービルは入っていない。少なくとも登るなら数時間稜線で風に吹かれていてもいい装備で来なければならない。
電波塔から緩やかな下りをどんどん戻る。下りになると裸足感覚のモカシンのかかとでスノーシューのリフターを踏むので違和感が大きい。途中でスノーシューを脱ぐ。車のあとがしっかりついている場所まで来ると今度はモカシンの硬い地面への接地で足のダメージが大きそう。やっぱりモカシンをレースに使うのはNGだなと思った。それを履いて生活してきている先住民族だから生きるのであって、ちょっとアウトドアが好きな都会人が簡単に使えるものではない気がする。軽くて温かいし面白い履物なんだけど(先住民族に伝わるものを面白いというのも失礼かも)1日ならともかくエクスペディションで使うわけにはいかない。明後日ポリーンさんに返しに行った時なんて言おうかなーと思うが、そのまま伝えるしかないよな。日本で売られているシューズでも(日本のメーカーに限定しても)メーカーやモデルによって好き嫌いが出るのだから、その道具の良し悪しではなく合わないというのはあって当然だろう。
櫛田さんからメッセージがあり24日の早朝に空港へお客さんの送迎があるからついでにピックアップして連れて行ってくれるとのこと。
ホワイトホース出発まであと2日。明日もう一度グレイマウンテンにアタックするかどうか。でも電波塔からでも見える景色は変わらなさそうだったしロードも稜線も楽しいというより修行にしかならない気がするから悩む。
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