Yukon Arctic Ultra 帰還速報

残念ながら今回もリタイアでした。到達地点はGPSで308km。ゴールまで約180kmを残すことになりました。リタイアの原因はソックス・シューズを濡らさないために多用したベイパーバリアライナーです。ベイパーバリアライナーとは足にかいた汗をソックスに吸わせないように簡単に言えばビニールのようなものを足に履き、その上にソックスを履いて使います。汗でソックスやシューズを凍結させないだけでなく、足の表面に水分を保つことで温かくすることもできます。ただ長時間使った場合は皮膚が蒸されてふやけてきます。足がふやけて血豆のようなものができ擦り切れて足の指の付け根から出血するようになりました(ほぼ全部の指)。痛みでペースが上がらなくなったのと主催者のチェックで感染症の危険があるため続行不可と判定されました。(ドクターストップ)

ふやけて擦り切れるのは予想できていましたが、途中で足がふやけてきたところで足を休ませるため(少し乾燥させるため)にベイパーバリアライナーを外したところ去年と同様に自分の足の汗でシューズが凍結してきたので、ベイパーバリアに戻して悪化させてしまいました。

ではどうすればよいのか、ですが、今回も第二の方法として用意はしていたのですが湿らせてしまったソックスをどんどん交換していくという方法があります。そして超低温(マイナス40度など)のときだけベイパーバリアを使うのが有効だと思います。ちなみにグローブとウェアもベイパーバリアしていましたが、汗をかくようなペースでも外側のものを湿らせることなく最小限の交換(ほぼ交換の必要なし)でおこなうことができました。

今回はゴールまで行けると思っていたのでとても残念ですが、落ち着いて考えてみると去年はダメすぎて残念ですらなかったんだよなあと思えば少なくとも前進はした、ようやくこのレースがどんなものか語れるようになった気がします。今回は前回と違いコースのけっこうな部分を見ることができたので、もう一度そのコースをたどりたいかと言えば、今は「もう勘弁」という気持ちです。それくらい長く、単調で、厳しいコースです。単調の一番の理由は季節的に夜の時間が長いというのも原因の1つだと思います。それと引き換えにオーロラも美しいレースです。凍った湖を走りながら見たオーロラは忘れることはないでしょう。

また4月に生まれる予定の子供の名前をレース中に考えておくという自分の宿題があり、一番印象的だった凍った湖のオーロラの場所で決めました。まあ名前自体は妻(れなっち)が「なんとなく響きで」と出していたものに賛同した形ですが意味付けをし、先ほど電話でれなっちに報告をして決定しました。ほんとうは完走をしてこうしたいと思っていて、絶対完走と心に決めていたのでとてもとても残念です。

あと心に残ったのはチェックポイントでのおもてなしです。食事をいただけるのですが、どの場所でもボリュームがありおいしく選手に力を付けてもらおうという気持ちが伝わってきます。外の環境が危険なだけに余計にそう感じるのだと思います。私にとってチェックポイントでほっとできるナンバー1のレースです。

帰国は2/15発、2/16着なのであと数日ホワイトホースでのんびりしながらレースレポートを作成しようと思います。

コメント

  1. NONAME より:

    お疲れさまでした。
    情報ないので公式サイトのリザルトボードをたまに見てました。
    ゆっくりされてください。

  2. 鈍足 より:

    すんませんタイトルに名前書いちゃいました

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