ときどき「サハラマラソンなどの砂漠のレースに出たいんです」というお話を聞くことがあります。砂漠レースは特に1回目は衝撃的な経験を得ることができるので興味を持ったら是非出場してほしいと思っています。しかし、そうは言ってもお金もかかるし最低2週間の休暇も取らなければいけません。興味を持っても「行けない理由」はいくらでも見つかるのです。
さまざまな事情があるにせよ、迷いがある場合は「まだ行くときではない」と思います。行かない理由がたくさん見つかる場合は、実はそれほど行きたいと思っていないとも言えるからです。(※注:現時点の私の状況でそう感じているだけなので、実際には気が狂うほど行きたくても行けない事情はあるかもしれません。その点はご容赦願います)
無理はせず、じっくり気持ちを暖め準備をして「その時」が来るのを待ってください。極限まで「行きたい!」という欲求を高めてから行った方が得るものは大きくなります。もちろん今すぐ行ける人は行ってしまってください!「いつの日か」などと思っているとその日は来ませんし、5年後・10年後に健康で走れている保証はありません。
さて私のことを書くと、最初の2007年のサハラマラソンは、このようなレースがあると知ってから2年ほど経っていましたがテレビでサハラマラソンの映像を見たのがきっかけになりました。知っているだけなのと映像で見るのとでは全然違います。衝動的に出場したい、むしろ自分はそこに行かなければいけないと思いました。すぐに職場に相談しその場で快諾していただけたため、翌年のレースに出場することができました。初めての海外旅行だったこともあり、もし死んでしまったらそれはそれで仕方がないと思っていました(本当に!)。
その後は南極のレースに出場することが目標となり、複数の砂漠レースを走ることになるわけですが、大きな決断は2011年3月のアタカマと6月のゴビのレースでした。2012年の南極のレースに出場することを目標にしていたため、どうしても2011年にこの2つのレースを完走する必要があったのです。それで南極レースの出場権を得られます。すでに自分にとって南極レースは「何が何でも出場したいレース」になっていたため会社を辞めてレースに出場するという選択をしました。
もちろんこの判断ができるのは、自分が会社を辞めても誰にも迷惑がかからないこと(独身であること)、フリーランスで働いて多少は仕事のない期間があっても経済的に何とか南極レースの時までは生活して行けそうな感じがしていたこと(あくまでも感じですがw)、とりあえず全てを賭ければ南極に行けそうでした。結果として現在は南極レースのエントリーも済ませて後は行くだけという状況を作ることができました。
ただ駆け足でゴールを目指した弊害もあって、アタカマのレースはしっかりと取り組めたのですが、その3ヶ月後のゴビのレースは他の砂漠レースに比べると、少し印象が薄いです。しかも南極の出場権を取りに来たという気持ちが強かったのでレースも安全に安全にという感じで攻めの気持ちは少なかった。もちろん苦しかったし楽しかったし良い経験であることには変わりはありませんが・・・他の砂漠レースに比べれば「行きたい」という気持ちを暖める間もなく出場したので気持ちが入っていない部分があったということです。
けっきょく何を書きたかったかというと、いろいろ考えて理由を付けなくても、どうしても行きたくなったらうっかりエントリーしてしまっているので悩まなくてもいいということです(笑)シンプルに自分の心に素直に行きましょう!
コメント
アタカマ・クロッシングのドキュメンタリーを観て、感動しました。保存版になってます。
人生を賭けての挑戦、すごいです。
南極のレース、日本代表として誇りを持って走って欲しいです。日本代表の樺沢さんを応援してます!