朝6時20分起床。この時点で今日はブリーフィングには間に合わないなと悟る(笑)砂漠レースも4回目ともなると朝のやることやリズムが決まってくるので時間が読めてしまうのだ。かといってブリーフィングに間に合わなくても問題ないので急ぐでもなく。自分よりもっとベテランのユーさん美絵さんも明らかに間に合いそうもない。ブリーフィングが始まった時テントの中で3人が悠々と準備を進めていたのだった。今日はよく晴れて暑くなりそう。序盤は川沿いのコースで水に入ることが多くなりそう。CP1~2は登り、それ以降は緩い下りでCP3, 4, フィニッシュとなる45km。今日、明日はあまり力を入れず5日目のロングステージに備えたい。
スタートはいつも最前列から飛び出す鈴木くんの後ろ。鈴木くんは毎日最前列左側からスタートする。スタート後自分は前に20人くらい見ながらゆっくり進む。CP1まではアップの感覚で。最初の数kmは川沿いで何度も川を渡った。今日は川に入るのがわかっているためゲーターはつけていない。川から離れると登り坂。早歩きでさっさと進む。CP1でシューズを脱いで砂を出している間に小野さんがCP1を通過。小野さんはCPの滞在時間がとても短い。CP1を出てしばらくすると小野さんを抜かす。ここは道の幅が車がすれ違えるくらいあった。昔のシルクロードらしいという話も聞いた。緩やかな登り坂が続き、しばらくすると鈴木くんも抜かした。
登り切って少し下るとCP2。ここで固形ケーキを食べながら出発。下りだが脚を温存するためペースはゆっくり。CP2の前の登りで抜かした選手たちに次々と抜かされていく。しかしまだ道のりの半分も来ていないし下りで脚を使ってしまうと後半の平地でスピードに乗れないはず。平地でペースを上げる方が楽なのでここはぐっと我慢。少しすると「今日はゆっくり行きます」と言っていた小野さんにも抜かされてしまう。調子がよさそうでどんどん前に追いついていった。
自分はCP3以降で平地になったらペースを上げれば10人は抜かせるはずと考えていたのでマイペースで。視界が開けているところでも小野さんの姿は完全に見えなくなってしまった。CP3で22位。残りの距離を確認しベスパハイパーを飲んでトイレも済ませてとやっているうちにさらに2人が先へ行く。しかしこれでロングスパートの準備は整った。ペースを上げてどんどん前の選手を抜かしていく。km5分くらいでは走れているはず。次々と前の選手が見えて来て見えると差もどんどん縮まっていく。それでも小野さんはまったく見えてこない。小野さんもかなり順位を上げているようだ。
CP4が近づいてようやく小野さんらしきランナーが見えてきた。CP4で小野さんに追いつく。この区間はCP3でたっぷり水を飲んだことペースが速かったことからほとんど水を消費してなかったためCPでの水の補給はなし。素通りして通過チェックされなかったりしたら嫌なので一瞬足を止めてスタッフに自分のナンバーだけはっきり伝えてから通過。小野さんのさらに前方に3人のランナーが見えそこまでは抜かせそう。
走りやすい道はCP3から変わらずで気持ち良く走れる。CP4からゴールまでは7km程度で「すぐ」だと思っていたら後半はアップダウンのコースに変わりなかなかゴールが見えてこない。このまま押しきれずバテて抜かし返されたら嫌だなーと思いながら進む。7km以上あるんじゃないの?と思い始めたころ、どこからともなくかすかな太鼓の音が聞こえてくる。
前方には集落が見えそこがゴールだと確信するも肝心のゴールゲートが見えない。しかし太鼓の音はすぐそこ。ゴールゲートがコース上から死角になっていただけで集落の入口がゴールだった。今日の順位は10位。序盤スローペースで後半予定通り10人以上を抜き去りつじつまを合わせた。「今回は攻めてよし守ってよし自由自在だな」と自己満足に浸る(笑)ゴールして少しその場でのんびりしていると韓国の方に「はじめまして」と話しかけられました。今回は開催地が中国ということもあって韓国から運営スタッフに来ている方も多かったのでスタッフだと思って軽くあいさつだけして済ませてしまったのですが、どうやらホン選手(HONG, Soon Ki)だったようです。
→かなり後日に気が付きましたが総合5位になった素晴らしいランナーでした。最終日だけ少し一緒に走りました。
今日は民家に宿泊。本来の住人が自宅を開放して選手を泊めてくれ自分たちは別の部屋で過ごすという感じのようだ。テントNo.12の選手に割り当てられた部屋に入り横になってアイシング。しばらくゆっくり体を休める。今日もテントNo.12のトップはジミー。今日は集落の脇に川が流れているので水は豊富に使えそうと思ったら川は住人の飲料水だから洗濯はしてはだめ、足を川に浸すのはいいが足首くらいまで、との注意があった。ここで洗濯ができないのは正直痛い。できれば頭を洗ったりもしたい。そこで少し考え川からペットボトルで水を汲み川から離れて土の上で洗濯をすれば良いのではないか?と考えた。
しばらくしてゴールしてきた長谷川さんと一緒に川へアイシングと洗濯をしに出かけることに。長谷川さんは今日はゴールの少し手前で鈴木くんに追いつき抜かしてきたらしい。鈴木くんに「そろそろ来る頃だと思ってました」と言われたとのこと。前日は長谷川さんに最後抜かされずに耐えた鈴木くん今日は抜かされても後ろにつく元気がなかったようです。この2人の微妙なライバル関係おもしろい(笑)
川に行く途中で鈴木くんも合流し3人で川に行く。川の水はキンキンに冷えていて気持ちがいい。自分はなんとか気持ちがいいと水に足を浸していられたが長谷川さんは「こんな冷たい中に足を入れてられない」と言っている。砂漠の真ん中を流れる川の水がこれほど冷たいことも驚き。今日も気温は40℃ほどまで上がっている。洗濯もペットボトルで川から離れたところに水を運ぶことで問題なくおこなうことができ民家の入口に張られたロープに洗濯物を干す。
長谷川さん、美絵さん、成宮さんがトイレの件で相談していた。宿舎の向かいのニワトリ小屋の奥がトイレになっているようだがニワトリ達と並んでしゃがみこんで用を足すレベルのトイレになっているようで、最中に誰か入ってきたら丸見えになってしまうという中国式トイレのようである。相談の結果1人がニワトリ小屋の入口に見張りとして立ち順番にトイレすることにしたようだ。後からトイレに行ってみたら男の立場からすればまあそれほど恐れることもないかなというレベルであった。
サイバーテントに選手宛てのメールを確認しに行くとたくさんのメールが来ていた。今回はたくさんの人に見守られているようでとても心強い。その中に気になるメールを1つ発見。メールはエクセルファイルに全選手分のメッセージが貼り付けられていて、その中から自分の名前を検索してメッセージを読むのだが名前を検索したら美絵さん宛てのメールがヒット。美絵さんの旦那さんからで「kabasawaさんどうした?」と書かれている!「俺!?どうかしたのか?」とすごく気になるが今のところどうもしてないしよくわかりません(笑)
明日は朝早くバスに乗り約3時間の移動。トルファン近郊に移動してレースの続きがおこなわれる。朝は3時からお湯をもらえるので暖かい食事をしたい場合は3時起床。4時にバスが出発する。荷物をまとめ明日の朝食だけすぐに取れるようにして早めに就寝。
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