6/27(月)ステージ2 In The Footsteps of the Kazaks 19km?(悪天候のため短縮)

20110627_1.jpg目が覚めるととても寒い。外を見るとなんと霧で真っ白。テントの外に出るとウェアが濡れてくる。こんな状況でレースできるのか?と思いつつもアナウンスがあるまではどうなるかわからないので準備をする。外は寒くテント内は暖かいのでカップラーメンにお湯をもらってからテントに持ちかえって食べる。しばらくしてスタート時間を30分遅らせるとアナウンスがある。30分程度で状況がよくなるのかなと思う。

ユーさんは「delay !」と言いながら食事をしている。それから少ししてさらにスタート時間遅れの連絡がありスタート時間は「9時」、そしてさらに「12時」と連絡があったときには拍手喝采!(笑)昨日とはまったく異なる寒さにみんなやる気が削がれている感じ。ユーさんは大喜びで「食べる!食べる!」とテントのみんなにお菓子をふるまっている。長谷川さんは昨日のダメージを回復させるため自分で自分に針を打っている。筋肉の固まったところに針を打つと痛くはなく”むずむず”する感じがして筋肉がほぐれるのだそうだ。アタカマでユーセフがワンダさんに針を打って絶叫させてたけどやっぱりあれは間違いだったんだ(笑)

20110627_2.jpg時間が経つにつれ晴れてくるどころか気温が下がってきた。10時ごろから雨。テント内の気温は17℃だが外の気温は10℃まで下がった。美絵さんが「こんな寒いより50℃あったほうがいい」と言っている。ユーさんは「今日はキャンセル!」とか言っている。レーシング・ザ・プラネットのレースを熟知しているユーさんが「キャンセル」というと本当にキャンセル(今日はお休み)になってしまいそうだったが(スタートの遅れは見事に予言していたし)やっぱり少しは走りたいかな。テントの中でまったり過ごすのも魅力的に思えたが・・・。

11時半からブリーフィング。寒いのでみんな砂漠レースとは思えないような服装で集合。今夜もどうやら雨になりそうだという話がありみんなに「じろっ」と見られる(笑)雨男じゃないって言ってるのに!(美絵さんは雨女らしいが)自分はジャケットを着てスタートしようと思っていたが、今日はコース短縮で19km程度しかないとのことなので高速レースを予想しジャケットは脱いでザックにしまう。半袖短パンで手袋だけしてスタートラインへ。最前列に鈴木くんがいたので隣へ。今日は10位くらいを目安に走ってみようと思う。スタートと同時に飛び出していく鈴木くん。自分は少し後ろから人数を数えながらじわじわと前へ。途中で鈴木くんも抜かす。

CP1まではオフロードと舗装路半分くらいずつ。走りやすいのでかなりの高速展開。ジャケットを脱いでおいてよかった。CP1は民家がある小さな集落。涼しいので水はほとんど飲んでないのでCPでの補給はなし、12位で通過する。その後オフロードに入り前の選手に追いつくが、話しかけてくるは、並走しようとしてライン取りをつぶしてくるは、ろくなことをしないのでペースを上げて引き離す(本人はフレンドリーなつもりだろうと思うのでごめんなさい)。

20110627_3.jpg遠くのほうに上位の選手が見えるが9位までは届きそうに思えるものの、その上はちょっと走力が違うかなという感じ。今日は下り基調なので気持ちよく走れる。小雨が降っていて涼しいのも暑さに弱い自分にはありがたい。岩山が両側にそびえたつ渓谷の道を気持ちよく走っていく。CP2に到着する前に、なぜかゴールを発見(笑)渓谷の川を挟んだ反対側の垂直の崖の上にキャンプ地が見える。そうとう遠回りして川を渡り崖を登ってたどり着くのだろう。こういうコース設定がまさにレーシング・ザ・プラネットって感じだ。少ししてCP2に到着。

20110627_4.jpg水だけ少し補給して出発。すぐ前に9位、10位の選手が走っているがタイム差もほとんどないしがんばって抜かす必要もないので100mくらい離れてついて行く。川を渡るポイントで前の2人がもたついているところを躊躇せず川に入り一気に渡って追いつく。水の深さは膝くらい。川から上がるとゲーターが水を吸って思った以上に重たくなってしまった。川の反対側の崖の上に上がる登り坂で再び2人に離されゴールまでその差のまま11位でゴールした。小野さんがすぐに来ると思ったので、そのままゴールで待つ。10分ほどして小野さんもゴール。テントに引き上げると昨日高山病で苦しんでいたジミーがすでに帰ってきていた。今日は3位でゴールしたらしい。ジミーすごいんじゃん!ジミーがなにやら話しかけてくるが、聞き取れず「???」となっているとテントの床に敷いてあるシートをめくって石をどかしはじめた。そうか、みんなが来る前にシートの下にある石をどけて寝転がったときに少しでも快適になるようにするんだ。2人でシートをめくり足で小石をどけて地面をならした。しばらくすると雨が本降りになった。ゴールした長谷川さんと話をしていたら「昨夜うなされていたけど嫌な夢でも見た?」と聞かれた。気持ち良く朝まで爆睡したつもりなのにおかしいな(笑)

20110627_5.jpg夕方になって雨が上がり日が差してきた。夕方といってもここでは夜22時くらいまで日が当たっているので、まだほとんど昼間。雨で濡れた衣服を乾かしに選手達はテントから出てきている。焚き火でシューズを乾かす選手も。焚き火の場所はまるでシューズのバーベキュー。その中に小野さんの姿もあった。今回の日本人選手は、それぞれのテントですごしている時間が長く、別のテントの日本人と話をする機会があまりないので声をかけて一緒にご飯を食べることにした。もう食べ終わった人もいたがお付き合いしてもらう。今日はとっておきのサンマの缶詰。「そんなもの持ってきているんですか?」と羨ましがる声を聞きながら食べるのがいいのだ(笑)動物性たんぱく質は貴重。

今日は鈴木くんと長谷川さんが途中から一緒だったようだが、鈴木くんはテントに帰ってくるなり「女性には負けられませんから」と言っていたらしい(笑)また成宮さんはレースがはじまる前にゼッケンをなくしてしまっていて大会運営側であまったゼッケンを着けてレースをしている。そのためチェックポイントごとにスタッフに「私の本当のナンバーは・・・」と説明しなければならず大変らしい(笑)人それぞれのレースのエピソードを聞くのは楽しいものだ。

美絵さんは今回はレースしながらチャリティ活動もしていて、海外の選手に日本の地震被災地宛てにホワイトボードにメッセージを書いてもらって、それを持って動画インタビュー、写真撮影をしている。今日はレースの距離も短く時間・体力に余裕があったので、たくさんの海外選手にメッセージをもらっていた。ときどき意図がうまく伝わらなくて被災地宛てのメッセージではなく「俺、レースがんばるぜ!」みたいなメッセージになったりすることに悩んでいた。

キャンプ地のある崖のふちまで行くと素晴らしい景色。こんな場所にいられること自体が幸せ。「これだから、このレースにはまっちゃうんだよなー」としみじみ思う。天気もすっかり回復し明日は素敵な灼熱地獄&山岳ステージになると思う。今日の雨で湿っている衣服が多くなってしまったので明日は早めにゴールして洗濯しようと思う。

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