アタカマ・クロッシング報告会
主催:アタカマ砂漠ランナーズ with piece of earth
2011/06/04(土)
Reported by Kabasawa
アタカマ・クロッシングの報告会を開催しました。 趣旨はもちろん砂漠レースの面白さを伝えたい!ということですが、震災チャリティイベントでもあります。 日本で大地震があったとき私たちはアタカマ砂漠のレース中で震災を直接経験していません。 どんなに情報を得ても人の話を聞いても、その時に日本にいなかった自分たちは、リアルに体験した人達とは受け止め方が違うでしょう。 震災で大変だったときに地球の裏側でおこなわれていたレースをチャリティにする。 少し複雑な気持ちもありましたが、素晴らしい体験を伝えつつチャリティにつなげる・・・そんな試みです。
イベントの参加費から必要経費を引いた分以外は震災ボランティアをおこなっているチーム「Wanpaku Dream」様に寄付させていただくことにしました。 「Wanpaku Dream」は、宮城県南三陸町歌津地区で「MTBを通して被災した子供達に笑顔をおくるプロジェクト」をおこなっています。 アウトドアスポーツで楽しさを届けることで被災地に貢献するという想いに共感し決定しました。
会場は新宿のマンションの20階。都心の夜景を目前に見られる最高のお部屋です。 piece of earthスタッフはお昼からお料理の準備。私は午後は雑誌「旅」の取材がありました。 報告会のほうには朝日新聞の記者さんもいらっしゃるそうです。 18時にマンション入口で砂漠ランナーズと待ち合わせて会場入り。 準備をしてから18時50分に参加者入場です。
まずはこの報告会の趣旨説明(ご挨拶)とチャリティの募金先の紹介をしました。 それからプレゼンターの紹介。今回は砂漠レースの奥深い楽しさを伝えるべく助っ人をお願いしています。 モロッコ、エジプトに続きアタカマまで3つの砂漠を共に闘ってきた佐藤くん。 今回初砂漠ながら安定した力を発揮した荒井くん。そして日本人女性初の4Deserts完全制覇の岡部さんです。
第一部はNHK-BSの番組「密着!アタカマ砂漠マラソン」の映像を見ながら解説をおこないます。 全部だと時間が足りないため、最初からスタートまででレースの概要を説明し、 変化に富んだコースのステージ2、オーバーナイトのステージ5から最後までの解説をおこないました。 佐藤くんの笑いを誘う解説が秀逸でした。
第二部はトークセッションです。私が3人に質問をぶつける形で進行します。いくつかの質問をしてそれぞれ異なる砂漠レースの想いをお伝えしたいと考えています。 ちょっと答えるのに難しい意地悪な質問も用意しました。
1.なぜ砂漠レースに行こうと思ったのですか?
2.行く前と行ったあとで自分にどんな変化があったか
3.あなたにとって砂漠レースとは?
4.今後の目標を教えてください
自分で体験する側の人間でいたい(佐藤)
人の話を聞いて行ったつもりになったりするのではなく自分自身でその場所の空気を体験したい。 砂漠レースは行こうと思えば誰でも行ける場所。まずは一歩踏み出すことが大事。

砂漠ではみんな1人の人間になる(岡部)
社会的な肩書きは関係無しに誰もが1人の人間になれる場所。 仲間が元気に走っている姿を見るととても嬉しく思うし、 辛い出来事に対しては思い出すだけで涙が出てくる。 ゴールが近づくといつも「このまま終わらなければいいのに」と思う。
砂漠レースはご褒美(荒井)
1人1人にドラマがあり濃密な人間関係がある。砂漠の友は一生の友になれる。 常にチャレンジしていたいという欲求を満たす場所。

過酷だから行くんじゃない、楽しいから行くんだ(樺澤)
基本的には過酷なのではなく楽しいということを伝えたい。砂漠レースは自分の視野を広げるきっかけ。
実は砂漠レースではレースとはいえ「1つでも上へ」と順位を気にしている人は少数派です。 厳しい環境の中で自分の足で砂漠を越えて行くという旅の感覚に近いです。 もちろんレースであることが、ある種の緊張感を生んでいることも確かです。 それがまた砂漠レースの面白さになっているのでしょう。それぞれレースに対するスタンスが異なる4人ですが 根本的に思っていることは同じ感じで「わかるー」という回答ばかりでした。
最後に30分ほどQ&Aコーナーをおこないました。 「砂漠で思い出に残ったエピソード」「砂漠レースの準備期間はどのくらい必要か」などのご質問をいただきました。 またトークセッション・Q&Aの間に3枚の色紙にコメントをいただきました。1枚は被災地のみなさまに向けて、 1枚は主催であるpiece of earthの活動のきっかけを作ったウルトラマラソンランナー井上くんに向けて(サロマがんばれメッセージ)、 そしてもう一枚はゴビ砂漠のレースを目前にした私に向けて(大変恐縮です)でした。 たくさんのメッセージありがとうございました。
今回は29名の方にお集まりいただきました(講演者・スタッフ入れて37人)。ワインなどの差し入れもたくさんいただきました。 piece of earthのチャリティグッズの購入もしていただき大変ありがとうございます。 そして何よりもご参加いただいた方々と共にいい雰囲気を作れたというのが嬉しかったです。 楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。

チャリティ募金の結果はまた別途報告します。

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