月山夏スキー
2010/06/19(土)〜20(日)
■6/19(土)
スキー狂の聖地”月山”にスキーしに行く。月山スキー場はあまりの雪の多さのため4月にオープンして7月まで滑れるという特異なスキー場である。自分は近年は行ってなく5〜6年振りの出場。朝4時40分に自宅を出発して月山に向かう。かなり雨が降っていて「この雨の中スキーするのは残念だなあ」と思う。自宅(宇都宮市)から矢板ICまで20kmくらい。矢板ICから月山ICまで300km近くひたすら高速道路。東海や関東は大雨の予報が出ているようだが東北地方は梅雨前線がそんなにかかっていないようで雨はだんだん小降りになってきた。
ETC割引で300km近く高速道路を走っても1000円。月山ICを出て10数km走ると月山スキー場に到着。今日の宿舎は昔?月山に来ていたときに宿泊していた「やつなみ」。前回来たあと建替えされたので宿はきれいになっていた。宿に入ると現地同行者の会社のスキーサークルのメンバーが先に到着していた。
みんなは夜通し移動してきて疲れているので10時くらいから動き始めるそうで睡眠をとっている。事前にお誘いを受けた佐野SAの合流時間は何時だったのか聞いたら午前1時だったらしい。合流しないで単独行動にしていてよかった。午前1時集合ではまったく睡眠取れないし。そもそもみんな到着して10時まで寝るなら夜中(前日)出発ではなく朝うんと早く出れば一緒のような気もする。みんなが寝ている間外をぶらぶらと散策する。宿の周辺は暖かく運動したら暑そうだなと思ったが雪のあるところに近づくと空気が冷えていて気持ちがいい。しばらく時間をつぶして10時からゲレンデに出る準備。
今日のメンバーはスキーの4人は上級者(先輩社員組)。ボードの3人は初心者(今年の新人さんの一部)という偏ったメンバー構成。とりあえずペアリフトを1本上がって大斜面のコブを1本。ボードの1人はなんとか大斜面を降りたが、あとの2人は大斜面に到達する前のトラバースがうまくできず沢コースを降りていった。トラバース・・・別にまったく難しくない単なる移動なんだけどそれができないほどの初心者って月山で滑る場所ないんじゃない?初心者待ちで超スローペースだったので1本滑っただけで昼食。
昼食後にペアリフトを上がりその上のTバーリフトで滑走コースの最上部へ上がることにする。その前に山小屋で山形名物玉こんにゃくを食べる。Tバーリフトはこつが必要なので初心者は最初の1〜2回は転倒して引きずられてもう一度になるだろうなと思って見ていたらやっぱり失敗。スタート直後に転倒して順番待ちの列の後ろに並びなおすことに。
リフトを使わずに走って登っているのを会社の人が撮影してくれた動画です。スキー担いでブーツ履いて。
その間に自分はTバーリフトを上がりコブラインを1本滑ってTバーリフトの乗り場に行くとボード初心者組はまだ転倒して列の後ろに並んでやり直しをしていた。Tバーはスキーよりもボードのほうが使いにくいので仕方ない。一度コツをつかめばもう大丈夫なので粘り強くがんばってほしいところ。ボードの1人は成功して山の上に上がれたので自分はそれを追いかけてリフトを使わずハイクアップで合流することにする。肩にスキー板を担いでスキーブーツで雪の斜面を走って登る(笑)上まで走りきりたかったが残り3分の1くらいのところで息があがってそこからは歩き。リフト券浮いたしそんなに体力消耗するわけでもないのでハイクアップでも問題なしかも。
しばらく待ったがボード2人は5〜6回くらいTバーに失敗して今日はリタイア決定。コブラインを1本滑って全員集合。かなり時間が経ってしまったのとボード組が体力(と気力?)の消耗が激しいのでこのまま沢コースを降りて宿に帰り終了することになった。沢をかっとばして滑って行くと巨大な穴があり「うわっ!だめだ!」と大転倒を覚悟したがジャンプで飛び越え着地成功。うまくいったからスリリングで楽しかったとか言えるけど・・・。結局今日は最上部から最下部まで2本滑っただけ。15時半に宿到着終了。
みんなは風呂に入り夕食までのんびりするつもりだったが自分は運動不足なのでジョギングに出かけることにする。宿の近くにトレッキング道の入口があったのでそこからトレイルランニング開始。コースは下りでネイチャーセンターまで続いているようだった。走りやすければネイチャーセンターで折り返してまたトレイルで登り返してもいいし、走りにくければロードで登ってきてもいい。コースは冬シーズンのあと整備に入っていないようで倒木は多く、トレイル両側の藪が延び放題でゆっくりとしか走れない。それでも小雨の中うっそうとした森の中を進み楽しい森林浴になった。けっこう急斜面も降りてから登りはロードで。そんなに降りた感じもしないがロードで登り返してみるとけっこう標高差があった。1時間ちょっと走って(距離は8kmくらいか?)宿に帰り終了。
風呂に入ってから夕食。夕食は品目数も量も多くて完食するのがやっとだった。夕食の後は宴会かと思ったらテレビを見始めて、その流れでサッカーW杯を見始めたので自分はロフトに撤収(笑)サッカー見ててもしょうがないので。ボードの3人のうち2人は疲労で爆睡。体力なさすぎだけどボード3人は明日もTバーリフトに挑戦して山頂の景色を見てほしい。やっぱり初心者に月山は酷だよなー。サッカーが終わったころにロフトから降りて宴会に加わる。
■6/20(日)
コース   :ロッジやつなみ〜月山スキー場沢コース〜姥ヶ岳〜月山の往復
移動距離  :12km(純粋な移動時間は3時間)
積算上昇高度:1211m

8時20分に宿を出発。今日は観光して帰るだけの会社スキーサークルメンバーと別れて単独行動する。宿から沢コース中腹まではゆっくりトレイルランニング。途中雪渓で100円玉を拾った。Tバーリフトのある上部斜面は歩き。今日は天気が悪いが元気なスキーヤー達が練習に来ている。
順調に姥ヶ岳山頂に到着。山頂と月山方面に向かう稜線には雪がなく木道が整備されていた。月山に向かう前に一度下るので木道&石畳のような登山道を気持ちよく走って行く。視界は10〜20mとかなり悪いが風は弱いので見た目ほど大変ではない。この感じだと楽勝で月山まで行けちゃうんじゃないのと思っていたら問題発生。登山道が雪で覆われて隠れてしまっている。姥ヶ岳から一度下った後は登山道は稜線から少し下がったところについているため稜線を進めばいいというものでもなく・・・。雪渓を100〜200mほどトラバースしてその向こう側で登山道の続きを探すのは大変(視界も悪いし)。登山道から雪渓に上がるときに高度計を見て雪渓を標高を上げながら横切り雪渓の反対側の端で下に向かって登山道を探すようにした。3回ほど雪渓を横切ったあと月山に向かって急登が始まるところでまた雪渓に出る。
ここではこれまでの方法で雪渓がなくなった後の登山道を見つけることができず、藪に入ったりうろうろして時間がかかってしまった。急な登山道らしい登山道を登って月山山頂近くの肩に出るとすごい突風が吹き始めた。一瞬「今日はここまで撤収か?」と思ったが、登り切って登山道も平らになっていてあと少しで月山山頂小屋に着くはずなので姿勢を低くして走って先へ進む。すぐに雲(霧?)の中から山頂小屋が現れ、それを過ぎるとすぐに山頂の神社に到着。ここで月山山頂の碑か何かあるはずと思って探すが見つからず。風はどんどん強くなってくるので長居はできない。神社の裏手の一番高いところで周りにこれ以上高いところがないことを確認して、しかし視界が10mくらいしかないので大したことはわからず山頂に行った確信が持てないまま撤収する。スタート前は月山の反対側に降りてまた登り返してという往復コースを考えていたがこの天候とここに来るまでに思ったよりも時間がかかってしまっているため月山山頂までの往復で終わり。
山頂からの下山は向かい風になったが下りるのも風に向かうのはきびしいくらいだった。急な登山道を下り雪渓に出る。下りの最初の雪渓は下りながら登山道を見つけなければならない。登りの時に登山道から雪渓に出た標高を覚えておいたので高度計を確認しながら下って行く。下りの途中で雷が鳴っているのが聞こえた。音はこれから向かう姥ヶ岳の方角から聞こえていて進行方向にはやや黒く見える雲がある。そちらに向かって行きたくないが帰るにはそちらに向かうしかないのでいざとなれば窪地を見つけて身を隠せばよいと考えた。まだ弱弱しい雷鳴なので発達しないうちに少しでも進もうと考え走る(もう発生しているから遅いけど)。
雪渓のトラバースでは平らな雪面に突起物は自分だけなのでこっちに落雷しそう。雪渓手前で雷鳴を聞いたら身を低くして雪渓を全力疾走し反対側の登山道を見つけて滑りこむ。雪渓を走っている間は当たらないように祈るだけだ。きっと最前線の兵士ってこんな感じ(笑)最後の姥ヶ岳の登り。ここを越えて向こう側に出ればあとはスキー場を下るだけ。しかしここは尾根の上を登山道が通り山頂を通過して向こう側に行くのでもっとも危険と思われる。とりあえず登り斜面は息を荒くして全力で登る。
さすがに雷発生中に山頂を通過したくなく山頂の肩の部分から山頂を巻くように東斜面の雪渓に取り付く。ここを回りこんで南斜面に出ればよいのだが・・・。雪渓は急な斜面で最初に取り付いたときは滑落しないように四つん這いで手も使えばなんとかという感じだったがだんだん斜度が急になってきて「もし滑ったらどのくらい落ちて行くんだ?」という状況になる。視界は10〜20mくらいしかないので全方向真っ白。シューズのつま先を雪の壁に3〜4回打ちつけて足場を作りやっと1歩進むという状況なので落石などきたらどうしようもない。
どうも”詰み”に向かって進んでいるような気がしてきたので「戻れるうちに戻ろう」と思い 元の方向へ戻って雪渓を抜け出す。稜線には上がらずこの東斜面で座り込んで雷の様子を見ることにする。少しすると雨が降り始め、さらに空が明るくなり、雷の音も聞こえなくなったのでダッシュで山頂にアタックし通過。南斜面に出てスキーヤーの目印になるように立っているポールを見つけてやっと安心できた。少し下るとTバーリフトが設置されている場所に来る。しかしTバーは撤収され誰もいない。避難したようだ。何年か前に北海道の旭岳のときもスキーのついでに山に登ったとき強風と低温を潜り抜けて帰還したらゴンドラが強風で止まっていて走ってスキー場を下ったことを思い出した。「またか」と思いながらコブ斜面を歩いて下るとペアリフトは動いていてこちらにはスキーヤーも滑っている。山頂から少し下ってきたら天候も落ちついていたので登るときにも通ってきた沢コースで下山した。
【追伸】
翌日。雪渓にしがみついていた手のひらと腕が筋肉痛です。握力低下中(笑) あと確認できなかった月山山頂。GPSの緯度経度で見るとわずかに山頂の手前で止まっているんですが(笑)でもネットで月山山頂で検索した写真には月山神社が写っていて、その場所には確かに行ったし、高度計でも山頂の高度に到達しているのでたぶん登頂しています。月山山頂!みたいな石碑とかはないのかな?