スノーゲイン菅平高原大会報告
2010/03/21(日)
本大会は菅平高原で2006年におこなわれたスノーゲインの第2回大会となります。スノーゲインはロゲイニングと同様に広範囲に全て回りきれない数のコントロールが設置されます。競技者は時間内にできるだけ多くのコントロールを回れるように作戦を立ててレースをおこないます。コントロールにつけられた番号がそのまま点数となり合計得点で順位が決まります。

競技者は雪上を移動するための装備を1つ以上使用することが必須となります。手軽に使えて特別なスキルを必要としないスノーシューの使用が最も一般的と言えます。いろいろな装備を使用する競技者がいたほうが面白いと思い、スタート地点の標高をゴールよりも高い場所にし事前に大会要項に記載しました。こうすることでスキーを選択する競技者が出ると予想したためです。その結果スノーシューのほかに山スキーやショートスキーを使う競技者があり、各選手の工夫が試されたのではないでしょうか。まさかスノースクートまで来るとは思いませんでしたが(笑)ただ装備の選択に大きな影響を及ぼす積雪量などの情報をどのように伝えるかは運営側の課題として残りました。今回は想像以上に積雪が少なくなってしまいスキーの機動力が活かせませんでした。

大会当日は明け方までは大荒れの天気。受付&スタート地点への移動の時間には天候も落ち着きましたが、昼ごろからはまた天気は下り坂という難しい気象条件になりました。事前に考えていた判断基準で「根子岳は競技エリアからはずす」と一度は決めましたがスタート地点に立ち競技説明を始める直前に「今すぐなら山頂に行ける」と感じスタッフ協議の結果「スタート直後に限り山頂へのアタックOK」という変則ルールで競技をおこないました。幸い競技中は天気も持ち無事に競技をおこなうことができました。参加された方々、ホテル白樺荘、スタッフのみなさまにお礼申し上げます。

参加チーム数および人数は下記の通りです。実質第1回大会(4年振りのため)のため10チーム程度を予想していましたが、やはりレースとして盛り上げるにはもっと多くの参加者がほしいところです。これも運営側(広報)の課題となります。

大会結果 → こちら

出走チーム数および人数
5時間男女混合:7名(3チーム)
5時間男子  :10名(5チーム)(1チーム2名がDNS)


以下、実行委員長レポートを掲載します。
■3/20(土)コントロール設置とサハラレース報告会
10時ごろ菅平高原到着。一見して積雪が少ないのがわかり焦る。明日はスノーゲインになるのだろうか?それともトレイルランニングになってしまうのか?昼ごろから設置に出発。自分は標高の低い牧場地帯を担当。やはり積雪が少ない。スノーシューを背負ったままトレイルランシューズで走っていく。途中川にスノーブリッジがあり競技者が落ちるといけないので蹴って落とせるものは落としておく。素直に設置していくと足跡が残ってしまって面白くないので遠回りしたり急斜面を登ったり藪に入ったりしてスタッフの足跡を追いかけられないようにする。たまに間違った方向に足跡をつけて自分の足跡を踏んで戻ったりも・・・(笑)
夜はホテル白樺荘に宿泊している参加者を対象にサハラレース報告会をおこなった。一緒にサハラレースに出場していた岩瀬さんも遊びに来てくれたので報告も2人それぞれの視点から見た面白い報告ができたと思います。21時過ぎに解散してからスタッフは明日の準備を続けます。とはいえ夏のロゲイニングに比べれば競技範囲も狭く参加者数も少ないので運営にはゆとりがあります(夏の運営は戦場です)。心配なのは天候のみ。明日の朝までは雨が降ってその後回復していくようです。
■3/21(日)スノーゲイン競技当日
6時に起床。明け方までは激しい風と雨でしたが天気は落ち着きつつあるように感じました。根子岳もホテル前から山頂まで見えたので競技に使うかどうか悩みます。7時から競技者受付をおこないます。7時40分ホテル白樺荘のバスに乗りスタート地点へ移動開始。船尾さんがスノースクートを持ってバスに乗り込み注目を集めていました。スタート地点に向かって歩きながら「やはり今日は根子岳山頂は競技には使わない」と決定しました。どうやら東京では強風で大変なことになっていて荒川市民マラソンも中止になったようです。
ところがスタート地点である奥ダボスゲレンデの最上部に到着すると思ったよりも風がありません。根子岳山頂もはっきり見えており空を見上げると雲の隙間から青空も・・・。あまり直前に悩むのは良くないと思いつつもスタッフで協議し「スタート直後に限り山頂へのアタックOK」というルールでおこなうことにしました。標高の低いところを回ってから時間があれば山頂へというのは禁止で行くならスタートしてすぐということです。競技説明をおこない地図を配布してから5分間の作戦タイム・・・のはずでしたが質問に答えたりしているうちに5分の作戦タイムが過ぎてしまい5分間延長しました。しかしスタート時刻の9時を待たずに8時45分に競技スタート。
競技者のほとんどはまっすぐ根子岳に向かいます。レースの前半は大部分が同じルートになりそうでロゲイニングの面白味というところからすれば少し外れてしまいますが天候の関係上仕方がありません。競技説明の間に昨日設置していなかったコントロールを設置してきたスタッフに根子岳山頂へのスイーパーを頼んでホテル白樺荘へ戻ります。今後のスケジュールを確認してからパトロールへ出発。菅平牧場管理棟まで車で行き根子岳登山道を登ります。最初に根子岳に登った3チームを見ることができました。11時過ぎに山頂で待機しているスタッフに11時半から根子岳の撤収を開始するようにお願いして下山。
次に別荘地から一本松へ。一本松のコントロールにはさすがにまだ誰も来ていませんでしたが、近くの川を渡るポイントに行き競技者が来るのを待ちます。しかし12時過ぎても誰も来ませんでした。みんなどこに行ってしまったんだろうと思いながらホテル白樺荘へ戻る。12時半に牧場の撤収スタッフが出発。自分と事務スタッフでゴールを設置しておしるこを作ります。13時ごろホテル白樺荘前を1チーム通過。ダボスの丘のポイントを取ってからゴールしてくるようです。
制限時間(13時45分)の30分前くらいからぱらぱらとゴールしてくるチームにおしるこを振る舞います。とても喜んでもらえて数日前に急に思いついて準備したのですがやってよかったと思いました。制限時間10分前になっても、まだ何チームかは戻ってきていません。特にスノースクート(重さ10kg!)を背負った「砂漠野郎」が帰ってこないので「きっと遅刻だな」と思っていたら制限時間1〜2分前に全競技者が帰還しました。ぴったりの時間に帰ってくるみなさんお見事です。おしるこを食べてしばしのんびりします。レースを楽しんできた様子がうかがえほっとしました。
表彰式までの1時間の間で成績集計と表彰状の準備をします。チーム数が少ないのですぐに終わるだろうと思っていたら表彰状の印刷位置がなぜかうまくいかず表彰式の時間になってしまいました。表彰状は後日郵送することにして、とりあえず表彰と賞品の授与をおこないました。上位3チームが非常に僅差で(1コントロール分の点差に3チーム)しかも「絶対に5時間でパーフェクトは無理」と思っていましたが「あと2つ」というチームもあり主催者の予想を上回るパフォーマンスでした。
今回スノーゲインを開催するにあたっては来年以降どうするかということは特に考えていなかったのですが参加されたみなさんから「来年もぜひやってほしい」という声が多くとてもありがたかったので来年も必ず開催しようと思いました。菅平高原の大会は規模が大きくないので主催者と参加者が共に大会を作っている雰囲気がとてもいいと感じています。主催者と参加者の距離が近いというか・・・主催者も開催していて楽しい大会です。今後もロゲイニング、スノーゲインをよろしくお願いいたします。
■3/22(月)一夜明けて・・・
レースが終わった後から降りだした雪が夜中に積もり外を見ると銀世界!しかも快晴!朝食後にいくつか残ったコントロールを撤収しに山へ行ったらパウダースノー!そして北アルプスの展望も最高!この景色を見ながらレースをおこないたかった・・・天気のことはどうしようもないとはいえ残念で仕方がありませんでした。スタッフだけで銀色の景色を堪能して今年のスノーゲインは終了。しかしどんな天気でもその天気なりの山の雰囲気というものはあるので受け入れましょう。来年は晴れることを祈って。