第34回富士登山駅伝
ノウハウ(山岳区間)
サポーターの記録へ
後藤@山頂区

自分自身は出走することが出来なかったので走った感想というのは書けませんが、行動記録や山小屋の様子、その他感じたことを書いてみました。今後山頂区を走る人、あるいは5区やサポーターで山小屋に泊まることになった人に部分的にでも参考になれば幸いです。





【1】行動記録
8月1日
08:00 JR御殿場駅集合(出島、樺澤、佐藤、後藤)、樺澤Car & 佐藤Carで陸上競技場へ移動、青葉会/東北大チーム(事前にサポートの協力をお願いしていた)と合流、顔合わせ
09:00 樺澤Carで富士宮口へ移動、富士宮口の駐車場がいっぱいで駐車スペースが無いらしく途中でしばらく待たされた
10:20 富士宮口着(トイレあり)
10:30 登山開始
12:00 8合目あたりでトラバース
12:30 7合目 日の出館着、昼食
13:00 宿泊受付、夕食までは散歩、ひなたぼっこ、景色を楽しんだり、寝たり、、、
17:30 夕食
19:30 就寝
〜〜寝たり覚めたりの繰り返し〜〜
8月2日
04:30 起床(熟睡はできなかった)
05:30 朝食、このころから雨風が強くなる
07:30 佐藤さん(5区)が2合8尺へ移動開始(外は依然として風雨)
07:40 ますます雨が強まる大会役員から「この天気では7.5合の中継所で待機場所が確保出来ないので、コール予定時刻である9時に到着するように各山小屋を出発してほしい」と指示を受ける。
08:40 7合5尺へ移動開始。登っている途中で他チームの選手から6区中止を知らされる。コールもしない、とのことだったので7合小屋に引き返し下山準備をはじめる。が、情報が錯綜しており、7合5尺でコールだけはするらしいと言う人もでてきたので、とにかく7合5尺に向かうことにする。7合から7合5尺までは歩いて10分くらい。
09:00過 7合5尺にて大会役員から正式に6区中止の説明を受ける。「現時点で7合5尺付近は十数℃、山頂付近は4℃程度。風も強くなり横殴りの雨で体感温度はさらに下がる。低体温症のおそれもあるので6区は中止。5区で折り返しとする」
09:30 7合小屋に戻って下山準備。
10:00 2合8尺到着、観戦&サポート手伝い
11:00 7区→8区へリレー、程なく撤収
11:?? 太郎坊着、さっと着替えて佐藤Carで陸上競技場へ移動


【2】携行品
ザック(25L)
雨具
非常用セット(※1)
救急用品(※2)
衛生用品(※3)
飲食料(※4)
レース前日の昼食(※5)
レース用ウェア(※6)
前日の登山用 兼 待機用ウェア(※7)
タオル1枚
ヘッドランプ、予備電池
デジカメ(樺澤さんから借りたもの)
トレランシューズ
サングラス
時計、コンパス、温度計、携帯電話
新聞紙(一日分)、iPod

※1 ロウソク、マッチ、サバイバルシート、ソーイングセット、塩
※2 絆創膏、胃薬、総合風邪薬、鎮痛剤(バファリン)、綿棒、ポイズンリムーバー、三角巾、爪切り、テーピングテープ
※3 ウェットティッシュ、ポケットティッシュ、歯ブラシ、コンタクトレンズ
※4 水道水500ml×2、ポカリスウェット500ml×2、アメ、ゼリー飲料×2、アーモンドチョコ
※5 おにぎり2個、あんぱん一個
※6 ランパン、ランシャツ、アームウォーマー、ノースリーブのアンダーウェア、ソックス
※7 サポートタイツ、ハーフパンツ、化繊Tシャツ、フリースジャケット、ジャージ、ウィンドブレーカー

今回のように雨が降って風が強いと体感温度はかなり低い。晴れていても朝晩は冷え込みが激しい。防寒着は必須です。

【3】山小屋について(今回宿泊したのは7合目「日の出館」)
日の出館には本館と別館がある。本館は2層、別館は3層構造になっており、それぞれの階層は幅2m弱毎に柱で区切られている。ちらっと見た感じでは別館の方が若干広い印象。だたし別館の最上層は確認していない。柱で区切られた範囲(奥行き1.8mくらい)を1スパンとして、1スパンに3人が並んで寝ることになる。入り口付近も宿泊スペースとなる。床には布団が敷き詰められており、1スパンに一枚用意されている掛け布団を3 人で共有する。宿泊受付時に到着順で好きな場所を選ぶことが出来るので、山小屋泊の人はなるべく早く登山を開始した方が良い。今回泊まったのは本館一番端の下層。

【本館下層】背中を丸めないと座れない程度の高さ。上の人がトイレに行く場合などに降りてくるのがちょっと邪魔に感じることがある。

【本館上層】座っても背が伸ばせる。人の出入りがないので邪魔されない。トイレ、食事などに行くときには降りるのが面倒。

【入口付近】ここがベストポジションではないかと思った。人の出入りは激しいが、比較的広く使えるし、小屋の出入りも楽。

■睡眠
7合、7合5尺、8合のどの小屋でも大差はないと思うが、小屋の布団は湿っぽいことが多い。しかも三人で一枚の掛け布団を共有するため、寝ている最中の温度調節が非常に難しい。真ん中の人は左右に熱源(人)があるので特に暑い。より快適に休むためには多少かさばっても各自シュラフとマットを持って行くべきだと思う。

■食事
夕食は17:30〜、朝食は05:30〜。食事の時間になったら食券(受付時に配布)を持って食堂(という程の広さではないが)へ。

夕飯メニュー:カレー(レトルト、福神漬け付き)/ハンバーグ(レトルト)/バナナ1本/お新香(キュウリ)ご飯だけはお変わり自由。お新香はどんぶりに盛られて各テーブルに二つずつくらい準備されており、好きな分だけ取って食べるシステム。テーブルは一度に8人程度座れるくらいの大きさ。

朝食メニュー:ご飯/生卵1個/味付け海苔/みそ汁(レトルト)/お新香(キュウリ)こちらもご飯はおかわり自由。卵掛けご飯にしていただく。お新香は夕飯と同じシステム。

個人的には用意されたものだけで十分だったが、個人で必要な食料も持っていくと良い。朝食用に納豆を持参している人もいた。

■水
当然のことながら水道はない。歯磨き、洗顔などしたい場合はそれ用に水を持っていくこと。今回は飲料水としてポカリスウェット1L、様々な用途にと水道水1Lを持っていった。走らなかったせいだろうが半分も使わなかった。飲み物は一応小屋でも売っているがバカ高い。(ペットボトル一本400円などなど)

■トイレ
バイオトイレが設置されている。今回は大のほうは使わなかったので様子はよくわからないが、トイレットペーパーもある程度は持っていった方が良いかもしれない。入り口付近にバイオトイレ使用料を入れる箱が設置されている。山小屋に泊まる人は宿泊料に含まれている(とかいないとか)らしいが、気持ち程度でもいれておきましょう。

■暇つぶし
基本的に寝るか、晴れていれば景色を見るかしかやることがない。何か暇つぶしの道具はあれば良い。宿泊が義務づけられているのは6区の選手だけだが、話し相手という意味でも5区の選手やサポーターが一緒にいるのは大変有り難い。

■下界との連絡
携帯は電源が入っていると、雷が鳴っている時には場合によってはやられてしまうこともある。電力消費を避けるという意味でも、基本的には電源を切っておき、定期的(2時間おきとか)にメール受信、あらかじめ「xx時に連絡する」など決めておくと良い。電波状況は機種によって大きく異なる。就寝中も電源を切っておいたほうが良い。マナーモードにしている人もいたが、皆寝静まっていると結構響いてうるさかった。

【4】高山病について
今回は何ともなかったが、前回は高山病によるものと思われる頭痛と吐き気で一切寝ることが出来ず、とても辛かった。高山病について知っている限りで記しておく。

■原因
高所では大気中の酸素分圧が低くなり、体内に取り入れられる酸素が減るため、身体に様々な症状が出ることがあると言われている。鍛えているから発症しない、などということはない。

■症状
頭痛、吐き気、風邪に似た症状、手足のむくみ、胸の圧迫感etc.

■予防策
意識的に深く呼吸する
水分を多めに摂取する(高所では渇きに鈍感になるので意識して摂取)
なるべくゆっくり登る
高山病予防薬もある(医師の処方が必要)
キュウリは高山病予防になるらしい。昼食にキュウリを持参する人もいた

■発症したら
基本的に高度を下げるしかないが、翌日レースを控えている、チームに申し訳ない・・・ということを考えると下山する決心はまずつかない。軽度の頭痛にはバファリンなど市販の頭痛薬も有効。ただし眠くなるような成分を含んだ薬は避ける。寝てしまうと呼吸が浅くなり、肺に入る酸素が少なくなってしまう。酸素缶を持っていって吸入するのもひとつの手ではある。とにかく深い呼吸を意識する。チームには申し訳ないけど、ひどい場合はやはり勇気を出して下山するべき。

【5】中継所、待機の仕方について感じたこと
■2合8尺で待機中に雨でぬれたユニフォームの上に雨具やウィンドブレーカーを羽織っている人がたくさんいた。濡れた衣類は着ているだけで体温を奪ってしまう。面倒でも濡れたウェアは脱いで乾いたTシャツなどを着た上に上着を羽織るべき。それだけで暖かさは全く違う。

■椅子があると良いと思った。雨が降っていたからだろうが皆立ちっぱなしだった。マットより椅子の方が座りやすいと思う。100円ショップでも簡単な折りたたみ椅子が売られている。
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