夢の島24時間走
2009/06/13(土)


東京都の夢の島でおこなわれる24時間リレーマラソンの個人の部に出場。元からかなりやりたくない種目だったけどサハラの友の井上くんが本気で取り組んでいる競技なので、どういうものなのか1回だけ体験してみようということでエントリーした。1周1266mのコースを24時間で何キロ走れるか競うストイックなレースだ。なお体験目的なのでトレーニングはいつも通りフルマラソン向け&最近は短い距離の練習が中心である。ちなみに参加者のほとんどは24時間リレーの部で8〜12人のチームでタスキリレーをおこなう。24時間個人はかなり変わり者の部になっている。
金曜日の夜に横浜の実家へ移動。当日は9時半に起きて夢の島には11時30分ごろ到着。受付を済ませて個人の部のテントに行くとひろっちがいた。塩タブレットを調達しておくのを忘れたので大会会場に出ている店を見に行くが売っていなかった。いたさんもやってきたので(旦那さんは富士山に修行に行ったらしい)久々に近況の話をする。のんびり準備をして12時10分の競技説明へ。ここでかなけんさんとも合流。説明を聞いているときにrunoahさんから電話に着信があったので折り返し電話してみるが出ないのでメールで3人のゼッケン番号を送っておく。
今回はレース時間が24時間で速く走っても遅く走っても24時間なので24時間持たせるにはどうしたらいいのかを考えてきた。それは「ランナーらしくない服装でレースする」(気持ちにブレーキをかけるため)こと。上は通常のTシャツだが下はトレッキングパンツ、帽子もアウトドア用のもの。練習内容までそういう練習をするわけにはいかないので体はフルマラソン準備期間の状態。走り方の方針は前半12時間は遅ければ遅いほどいいという感じでのんびり進み、12時間後に目標を設定することにした。とりあえず最初は1km7分ペースでスタート。
最初のうちは、ひろっち、かなけんさんと前後しながら3人かたまっている感じ。いたさんは先行というより「そんなに速くていいの?」というくらい爆走。少しするとrunoahさんが応援に到着したので足をとめて話をし写真を撮ったりする。その後も走りながらスギ、ノゾミ、カタヒくんなど知り合いに出会ってちょっと話をしたりしてリラックスしながら楽しく走る。みんな自分のトレッキングパンツを見て「走りにくくないのか?」と言うがトレッキングパンツは普段着に見えるけどとても動きやすく問題なし。いたさんに周回差で後ろから来た時に「暑くないのー?」と言われたが、暑いけどそれはそもそも気温が高いのであってトレッキングパンツのせいではないと思う(たぶん)。気温は30℃を楽々越えている様子。サハラより若干涼しいかなーくらい。
しばらくすると仲間達との遭遇もなくなり黙々と1km6分半〜7分くらいで走り続けるが30kmも走らないうちに飽きてきた。しかもなぜか足にしびれを感じるようになりちょっといつもと違う疲れ方をしているなと思う。 給水はこまめにして食べ物もエイドでグミをつまんでいたが口の中がいつも甘ったるいのが嫌な感じ。夕方になりパスタサービスが始まりパスタをもらいに行くゼッケン番号が放送されるが24時間個人の部が一向に呼ばれない。実は24時間個人の部はいつ行っても食料をもらえるのだがその情報は見落としたか知らされていなかったか・・・とにかく補給をすることができなかった。
50km走ったところで足が痛くなってこのまま続けていられなさそうな感じなのとあてにしていたパスタが食べれなかったので一時レースを放棄してコンビニに行きカップメンの蕎麦を食べてから会場に戻る。しばらくテントで休憩。このままレースを終了してしまうわけにもいかないのでもう一度コースに戻ってみるとペースを上げれば足の痛みを感じることなく走れそう。km5分半〜5分程度のペースで20kmほど走り合計距離を75kmまで伸ばす。さすがにこのペースでずっと走ることはできないのと、やる気をなくしていたのでテントに戻って寝る。でも寝る準備はしてきていないので薄着のままビニールシートの上にごろ寝なので風が吹くと寒い。ロングタイツとウィンドジャケットをひっぱり出しTシャツを乾いているものに着替え足先が寒いのでザックの中に足を突っ込んで寝る。サハラでのテント生活そのものという感じだった。
気が付くと朝。6時ちょっと前。これからどうしようかなと考えているといたさんがテントにやってきた。今どんな感じか聞いてみると100周(125kmくらい)したがモチベーションも低下し走れなくなってきたので140kmくらいまで行ってやめようかなとのこと。途中までは女子のぶっちぎりトップだったがそろそろ抜かされそうだということだった。自分はそのあと近くの吉野屋に出かけて朝ごはん。遅く走ると足が痛むので、もうトレッキングパンツはやめてランナースタイルに着替える。コースに戻るといたさんが歩いていたのでしばらく話をしながら散歩?ひろっちも合流して3人で散歩。そのあといたさんは足がつったりして明らかに調子が悪そうだったので、それぞれ個別の走りに。自分はkm7分で走ると足が痛いがkm6分よりも速くなるとふわっと体が軽くなって気持ちよく走れるので今日も1km5分半から5分のペースで走る。このくらいのペースが一番楽で気分がいい。つかれたら(あきたら)テントに戻って休憩。気温が上がってきてからは会場に出ているかき氷屋に通う(レース終了までに3回食べた)。
座ってかき氷を食べているといたさんが「もう帰る」とのこと。歩くのもきつそうだ。いたさんレベルなら十分女子優勝できると思っていたが「24時間走は通常の走りとはずいぶん違う」というのが自分たちの共通認識だった。その後も爆走と休憩を繰り返しながら距離を積み上げていく。もう当初「このくらいいけたらいいな」というものには足元にも及ばないので何か今後プラスになるものを得ていきたいと考える。でも距離を踏みつつ細切れでもkm5分くらいのペースも混ぜて走っていればけっこういい練習になるだろう。途中カタヒくんと話をしたときにノゾミは朝まで会場にいて午前中は資格試験を受けにいってゴールの1時間前くらいに会場に帰って来ると言っていた。
残り時間が少なくなり最後のスパートは1km4分半までペースを上げようと考える。ここまで大雑把に見ればビルドアップ(少しずつペースを上げていくトレーニング方法)の走りができている。ペースを遅くしたり歩いたりすると足が痛いのでペースを上げるしかないという変なことになっているのだが。終了30分前から1km4分30秒くらいにペースアップ。最後は少しきつくなったが曲がりなりにも100km以上走っている状態からこのペースを作れたので少しはいい練習になったのかなと思う。94周(119km)走ってゴール。今回は会場でいろいろなランナー仲間に会うことができ楽しかった。みんながいなかったら間違いなく途中で飽きて帰っていたと思う(笑)
今回は超長距離の練習はまったくしていないが通常よりもうんとペースを落とすことで到達距離を延ばせるか?という考えだった。そんな考えもたった50kmで終了。しかしペースを上げれば問題なく走ることができたのは普段の練習のペースに左右されている感じ。通常多い練習ペースは1km4分半〜5分半。レース中は1km6分よりも速く走ると体が軽く動きがよくなり1km5分半くらいが気分のいいペースに感じた。その一方で24時間走(超長距離走)に必要なペースは1km7分。これを長く続けるには練習ペースの下限を6分30秒くらいまで落として、その分距離を延ばす練習が必要になると思う。でもそういう練習をしようとは思わないので自分の目指すものと24時間走は完全にミスマッチであることがよくわかる結果になった。やっぱり真のオールラウンドというのはありえず常に自分が一番やりたいことは何なのかをよく考えてやっていかなければならないと思った。

[戻る]