東京マラソン
2009/03/22(日)
東京マラソンは3万人規模のビッグレースだ。自分は2007年の第一回大会に出場したが故障を押して無理に走ったためタイムは当然論外で、レース中に4回もトイレに行くし、脚が痛くて景色も良く見てなかったし、雨で寒かったことしか記憶にない。そこで謎の体調不良&貧血からの復活レースとして東京マラソンをターゲットにすることに決めた。ちなみに「東京マラソンを本番レースに」と決めたのは2008年の8月ごろでこの時点では出場できるかわかっていない(笑)(抽選の結果がわかるのは11月)とりあえずの目標はサブスリーとしてトレーニングメニュースタート!
2008年7月(走行距離=229km)、8月(走行距離=215km)、9月(走行距離=184km):スピード練習?
8月までは富士登山駅伝、9月はロゲイニング菅平大会運営、さらに今年は愛知県暮らし(暑い!)だったため 9月いっぱいまでは「5〜10kmをなるべく速いペースで走る」という練習を短時間でまとめ夏バテを秋に残さないように心がけた。9月末に出場した三河高原トレイルランレース(24km)では「体力落ちているかも」と少し心配だったが問題なく走りきれた。また貧血については回復してきてるはずと思いこんでいたが、9月に受けた健康診断で「重度の貧血」と判定され医者に「こんな数値でよく走れますねー」と言われた。 長い距離をゆっくり走ることは苦にならないがペースを上げると4'10〜4'15/kmがかなり厳しい。 自己ベストのころの3'50/kmくらいの負荷を感じてしまう。貧血と暑さのせいか?

■主なポイント練習
ペース走5km(4'15/km)×2など
三河高原トレイルランレース(24km、2時間17分36秒=5'43/km)
2008年10月(走行距離=363km)〜11月(走行距離=363km):走りこみ
フルマラソンの脚作りを開始。夏場の練習量から一気に2倍近い練習量になったので「大丈夫か?」と思ったがうまく対応できた。12月に入るまではLSDでも良いと考えていたが思ったよりも早くペース走など練習の質を上げていくことができた。

■主なポイント練習
ナゴヤアドベンチャーマラソン(42km、3時間19分38秒)
大町アルプスマラソン(42km、3時間25分11秒)
松本空港27km(強風時:4'45/km、無風時:4'30/km)
LSD 2時間(6'00/km)(水曜夜練)
2008年12月(走行距離=325km):走りこみから仕上げへ
1月から本格的にペースを上げるためのレース連戦を予定しているため練習量をやや落として その代りにペースを少しずつ上げていくことを意識する。km4分のペースが見えてきた感じがあり 1月からのレース連戦に期待が高まる。

■主なポイント練習
松本空港27km(強風時:4'45/km、無風時:4'30/km)
大池公園(きょだ)練習会(23km=1:34'45=4'07/km)
@runner(eA)練習会(5km=4'10/km、5km=4'00/km)
2009年1月(走行距離=354km)〜2月(走行距離=312km):仕上げ
レース連戦始まる。しかし脚がどんよりと重たいままでまったくペース上がらず。 もちろんレース前日にもしっかり練習をおこない重たくして出場しているのだが以前にましてペースを上げられない。ペース走も11月からおこなっている割には余裕が出てこない状態で27〜30kmがやっと。理想的には35km程度のペース走を繰り返したかった。レース1か月前の強い負荷を与える目的でおこなった40km走は良く走ることができ少しだけ自信を持てたように感じる。

■主なポイント練習
松本空港27km(強風時:4'45/km、無風時:4'30/km)
30km走(4'30〜4'45/km)
インターバル(4'15〜4'00/km)(水曜夜練)
新春マラソン30km(2時間13分44秒=4'27/km)
千葉マリンマラソン21.1km(1時間31分42秒=4'21/km)
神奈川マラソン21.1km(1時間30分56秒=4'18/km)
上里乾武マラソン21.1km(1時間29分39秒=4'15/km)
40km走(2時間57分28秒=4'26/km)
2009年3月(走行距離=東京マラソン前日、3/21まで159km):調整
全体的に目指していたペースよりも1kmあたり10〜15秒遅い。量だけは自己ベストのころと同等の練習ができいる。あとはペース走を35kmまで伸ばせなかったのが不安要素。「最低でもサブスリー」の目標はなんとかなる・・・かなあ。現時点でやることはやったのでしっかり調整してピークを本番に合わせていきたい。

■主なポイント練習
長野県ロードレース伊那大会16km(1時間11分27秒=4'28/km)疲れすぎていてポイント練習にならず
立川・昭島マラソン21.1km(1時間28分57秒=4'12/km)

★ レース目標 ★
目標を明確に決めれるようなレースペースでの練習ができなかったので目標というよりは希望に近い目標設定をおこなう。スタートロスは最悪1分を想定。しかし東京マラソンではコースの序盤が下りなので特に力を入れなくても5km程度でスタートロスの分は自然に挽回していると思われる。ハーフ通過までは4'05〜4'10/km程度のペースで行き1時間26分30秒〜1時間27分で通過したい。このペースだと今期のハーフマラソンベスト(笑)もしここで苦しければ早めに少しペースを落とし後半に備える。できれば30kmまでこのペースで押し、終盤は気力で耐えて後半ハーフを1時間30分そこそこで2時間56分台(セカンドベスト更新)を目標とする。
★ レース前日 ★
ビッグサイトの受付に行く。受付会場ではいろいろな企業のブースなども出ていて面白い。東京マラソングッズなんかも売っていて良いものがあれば買おうかなと思ったが何も買わなかった。一通りぶらぶら見て回ってからビッグサイトを出て歩いてお台場へ向かう。ビッグサイトにいたときから、誰かが「東京マラソンの受付のときアシックスのブースにいます」と言ってたんだよなーと思っていたのだが会場を後にしてからようやく思い出した(笑)大学時代の天文部の仲間とお台場で食事会をする。帰宅後、天気予報を見ると明日は春の嵐で強い南風(6〜10m)とのこと。コース図を見て向かい風になる区間をチェックする。
★ レース当日スタート前 ★
朝6時41分の相鉄線に乗り新宿には7時35分到着。スタート会場に8時ごろ到着。準備は自宅ですべて済ませてきたので到着してからは何もやることなし。シューズを履きかえ、ウィンドブレーカーを脱ぎ、パワージェルを1つ食べてから荷物を預けてスタートのAブロックへ移動。スタートブロックで30分以上待機することになるのでアップはおこなわない。エリート選手のすぐ後ろからスタートできる。スタートラインから10mくらいの場所に潜り込むことができた。開会式がおこなわれ国家斉唱。気分が盛り上がってくる。9時5分に車いすの部がスタート。そして9時10分マラソンのスタートを迎えた。
■スタート〜15km
スタートロスは20秒くらい。最初の5kmは下り坂。あえて押さえず気持ちよく駆け下る。10kmから15kmは向かい風になるので少しは貯金ができるといい。5km地点で20分ちょっと。km4分でいい感じ。7kmくらいから向かい風になったので無理せずペースも少しずつ落ちる。少し足が痺れる感じがあったが10kmくらいで落ち着いてくる。15kmまではペースは落ちてもいいので集団の中に入って風をなるべく受けないようにし15kmで折り返してからペースを上げようと考える。しかし15km手前ですでに脚がきつくなってしまった。ペースは4分15秒/kmくらいで無理はない感じなのだが。調整で疲労を抜ききれなかったのかなーという感じでもある。
■15km〜30km
15kmちょっとで折り返し追い風になる。ここから30kmまでは少しペースを上げていきたかったのだが脚が反応せず。15〜20kmのラップも向かい風のときと変わらず。ペースを上げれずに苦しんでいるところで牛の着ぐるみに抜かされた。ついていけず牛の着ぐるみは行ってしまった。ハーフは1時間29分弱で通過。その後アフロをかぶった2人組としばらく並走。「アフロー!アフロー!」という妙な応援を受けつつ走る。アフロの1人は後退。もう1人のアフロは前方へ消えて行った。脚の感覚がなくなってきて完走も危ないかもと思い始める。すでに目標はタイムから完走に切り替え。28kmくらいで「樺澤さん、がんばれー」と声援を受けるが死にかけているので声の方向を確認することもできず通過(ありがとうございます!)。浅草、銀座と普段ありえない場所を走らせてもらっているので簡単にはあきらめずしっかり走ろうと耐える。

■30km〜40km
30km付近からはまた向かい風になる。でも、この区間はビルが多いためかそれほど風はきつくない。30km過ぎでアフロに追いついてきた。一度抜かしていった相手をとらえると力になる。そしてアフロをパス。35km付近で今度は猫ひろし(お笑芸人)を発見。猫ひろしがこんなところにいること自体に驚くがさっさと抜かす。ここから終盤で猫ひろしが「にゃー!」とか言いながらダッシュしてきたら競り合うような力は残っていないので少しでも差をつけておきたいと力が入る。35kmを過ぎると橋を渡って海沿いへ。一気に風が強くなり雨が叩きつけてきた。ここが正念場。前方に視線を移すと20km以前に抜かされた牛の着ぐるみがいる!じわじわと間をつめて37kmくらいでパス。あとは猫ひろしから逃げるだけだ(笑)

■40km〜ゴール
最後まで小さい橋を渡ったり何度か小さなアップダウンが続く。風が強いので登りでは止まりそうになる。 40kmの通過は2時間55分ちょっとだったのでなんとか3時間5分前後でフィニッシュできそうだ。ペースダウンしてからはもっとひどいことになると思っていたのでここまでなんとか来れたのは我ながらよくがんばれている。最後の2kmはとても長く感じた。3時間5分35秒でゴール。ゴールではたくさんのボランティアスタッフの方に祝福していただいた。たくさんのランナーのゴールをサポートするためにいる大勢のスタッフだが3時間ちょっとだと全体から見ればかなり上位でランナーもそんなに大勢来ないので非常に手厚い歓迎を受けられる(笑) 目標には遠く及ばないものの自力でゴールにたどり着けたことにほっとして涙。つらいレースでした。

■考察
結果的には「距離に不安はないがスピードに不安あり」という練習内容通りの結果になった。まさに「練習は裏切らない」。今回は長野で寒い冬を越えてマラソンの準備をするということで「自然に体重が増えていってしまう」「しっかり着込んで練習をすることになる」という寒さが原因でスピードを上げるにはマイナス要素があった。しかし、この2つはやる前からわかっていたことだし仕方がない。あとはメインの練習場所に松本空港を選択したことがよくなかったのかもしれない。吹きっさらしで常に風が強い上に1周の距離が9kmと長いので体が温まったからといって上着を脱ぎ捨てて走ったりはできない。この辺の工夫は必要だった。レース中に関しては今の状態でやれるだけのことはできた。早々にタイム狙いから脱落したが一段階ペースを落としそれ以降は大幅なペースダウンをせずに上手くまとめられた。仮に風が弱かったとしても今の状態では3時間以内は厳しかったと思う。優勝タイムは男子が2時間10分、女子が2時間25分だったので天候のせいにすることはできない。

距離(km) 通過タイム
(時:分'秒)
区間タイム
(分'秒)
順位/全体
5 20:13 20:13  
10 41:16 21:03  
15 1:02:40 21:24  
20 1:24:11 21:31  
25 1:46:32 22:21  
30 2:09:08 22:36  
35 2:32:05 22:57  
40 2:55:17 23:12  
Finish 3:05:35 10:18  
★ レース後おまけ ★
テレコムセンター駅から徒歩2分の大江戸温泉物語に行きました。入館料は2900円と高いですが面白そうな温泉施設です。レースが終わった後という意味では早く風呂に入りたいだけなのに、入館してから浴衣を選んだり浴衣に着替えたあと江戸をイメージした迷路のような街並みを通り抜けないと風呂にたどり着けないのでイラッとします(笑)広間で休憩していても阿波踊り、和太鼓、忍者ショーなど次々と舞台が繰り広げられるので落ち着いて寝ていられません(笑)ちなみに猫ひろしは3時間18分だったようです。35kmで抜かしたときはすでに死んでいたようです。

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