第58回富士登山競走
2005/07/22(金)
富士登山競走は富士吉田市役所前をスタートして富士山山頂までの21km、標高差は3000m、 制限時間は4時間30分、そして完走率は40%程度という過酷なレースだ。 今回、富士登山競走に参加するにあたって当初はランニングザックに給水を背負って 行こうと思っていたが経験者のアドバイスに従って軽装で行くことにした。服装、装備品は以下の通り。
【服装】
ランニングシャツ、ランニングパンツ、ランニングキャップ、シューズ(MIZUNO WAVE AERO2)、バンダナ、サングラス
【持ち物】
ウェストポーチ、ウィンドブレーカーの上着、腕時計、デジタルカメラ、500円玉4枚(2000円)、食べる酸素(錠剤)
6時半前に会場に到着しゼッケンなどを受け取って準備する。 練習で登ったときに八合目で高山病になったので食べる酸素の錠剤を飲んでおいた。 レース中も給水時に少しずつ飲みながら行こうと思う。 スタートは7時30分なので7時ちょっと過ぎにスタート地点に行った。 すでに大勢スタートラインに並んでいて列の中に入っていくのが大変だった。 スタート時にはスタートラインの左右にも人が溢れていて、スタートと同時に左右から人が 道路になだれ込んできて満員電車のようにぎゅうぎゅう詰めになった。転倒して踏まれてしまった人も いるようだったが、なんとか巻き込まれることなくスタートできた。
スタートして少しするとさっそく登り坂。遠くに富士山の山頂が見えて 「あんなところまで行かなければいけないのかー」と思った。 市街地を抜けると両側に木が生えている舗装路を走る。直射日光がないとひんやりしていて 気持ちがいい。数日前にマラソン合宿でかなり練習した影響か股関節が痛くなったり、 吐き気がしたりして体調が悪そうだった。すでにこの時点で「今日は五合目で終了かなー」と 思い始めていた。舗装路が終わる馬返しまでは約11km、ずっと登りなのでとても遠く感じた。 少なくとも馬返しまでは歩かないようにと思っていたが馬返し手前ですでに歩いてしまった。
馬返しへはスタートから1時間8分で到着。ここで給水、水を飲み足に水をかけて冷やす。 スタートするときはサングラスをかけていたがずっと日陰なのではずしてウェストポーチの ベルトに引っ掛けておいた。
馬返しを過ぎると登山道になる。このあたりもまだ木がたくさん生えているので直射日光はない。 石が転がっていたり大きな段差があったりして普通に通れる幅が狭くなってきているので あわてずゆっくり進む。それでも馬返し手前で歩いたときに比べるとだんだん調子が上がってきて 前の人を抜かせるようになってきた。
長い登山道を一度抜けて舗装道路へ出る。ここまでくれば五合目の佐藤小屋はもうすぐ。 馬返し付近では体調が悪かったが、なぜか具合が良くなっていて、まだまだ行けるという感じで 楽しくなってきた。ちょっとだけ舗装道路を通って再び登山道に入りちょっと行ったところで 五合目の佐藤小屋へ到着。
五合目にはスタートから2時間7分ほどで到着。ここの給水でスポーツドリンクを飲み、 甘ったるさを流すために水と食べる酸素を少し飲む。残った水で膝を冷やしさらに帽子にも 水をかけてから五合目を出発する。
五合目から先も少しの間は背の低い木が生えている間を通り抜けるような感じだった。 道幅は狭いのでほとんど追い越しはできない。体調も良くなったので気持ち良く進むことができた。
五合目を出発して10分くらいで森林限界を超えて富士山独特の砂っぽい登山道になる。 晴れていれば山頂が見えるようになるが途中に雲がかかっていて先は見えない。
足元は小さな石がごろごろ転がっていたり砂地だったりしているので、なるべく足元のしっかり していそうなところを選んで進む。馬返し以降順調に前の人を抜かしてきたが、だんだん足が重くなり 流れに乗って一列になって進むようになってきた。日光が気になるようになってきたので サングラスをかけようと思ったらウェストポーチに挟んでおいたのだが、なくなってしまっていた。 どこかで落としてきてしまったらしい。
七合目付近からは岩場が多くなってきた。場所によっては手も使ってよじ登るような感じになる。 岩場なので、あまり前の人にくっつきたくないが間を空けると後ろの人がすぐに横から入ってこようと するのでちょっと困った。ところどころ普通の登山者がいたが登山道が競技者でいっぱいになって しまい動けなくなっている人がいたので申し訳ないなあと思った。
練習のときにも来た本八合目へスタートから3時間55分かかってやっと到着。 八合目から本八合目までがかなり長く感じた。疲労具合と残り時間35分ということを考えると 時間内完走は微妙な感じだったが、今回は記録よりもきちんと追い込める心の鍛錬ということも 意識しているので後ろから登ってくる人がいる以上、進み続けようと思い本八合目を出発する。 練習のときはここで高山病がきつくなり下山したが、今回は食べる酸素が効いているのか 高山病になる様子はなかった。
筋力的にかなりきつかったので、たまに立ち止まってしまう。正直なところ(レースとは別にして) 富士山は登るには好きな山でもないので、今回完走してもう登らなくてもいいようにしておきたい という一心で登り続ける。ここで完走できなかったら、また再挑戦しないと後味が悪いので せっかくここまで来た以上完走しておきたいところだ。山頂が近くなったので山頂からの 「あと3分!」「あと2分!」というカウントダウンが聞こえてきた。 山頂を見上げて「あと数分であそこまで行けるのだろうか」と思うが確実にゴールは近くなっている。 「あと20秒!」ゴールが近くなって足場が少し良くなって歩くペースが上がった。 「あと10秒!」今まで動かなかった体が勝手に走り出していた。最後の角を曲がるとすぐゴールが見えた! ゴールして時計を止める。4時間29分55秒、制限時間の5秒前のゴールだった。
地点名 距離(km) 標高(m) 通過タイム
(時:分:秒)
富士吉田市役所 0 770 ---
馬返し 11 1440 1:08:36
五合目 15 2250 2:07:40
八合目 19 3400 3:55:45
山頂 21 3770 4:29:55

■日焼け対策
富士山は日差しが強く日焼け対策をしないとやけどをしたような状態になります。 必ず日焼け止めなどをしっかり塗ってください。対策をしておかないと水ぶくれができたり 痛くて風呂に入れなくなったりします。

■給水
「山の上のほうでは給水の用意が十分ではなく後ろのほうのランナーは給水できない場合がある」 という噂もあったが、八合目でもきちんと給水できた。それでも確実かどうかはわからないので お金を多めに持っていくというのが良いと思う。山小屋はすでに営業していていろいろな 飲み物、食べ物を購入することができます。

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