東急文化会館閉館キャンペーン"meets" メガスターⅡ一般公開 2003/06/27(金)〜28(土)
|
東急文化会館の閉館に伴いおこなわれているファイナルキャンペーンで、超高性能プラネタリウムの
メガスターⅡが初一般公開された。このメガスターⅡ、どのくらい高性能かというと人間の目には
見えない12等級の星まで映し出し、双眼鏡で見ると肉眼で見えない星もしっかり見えるというもの。
映し出される星の数は410万個。通常のプラネタリウムは数千〜数万だから単純に数で比べると
圧倒的だ。見えない星まで映すことによって奥行きを表現することができたというメガスターⅡで
投影される天の川はリアルで、厚みというかボリューム感を感じるものだ。
公開期間は6/13(金)〜30(月)。そこで6/27(金)を休暇にして見に行ってきた。
公開場所は8Fの五島プラネタリウム跡、このキャンペーンが終了すると取り壊されるらしい。
|
|
|
|
メガスターⅡの投影は一部の有料投影を除いては無料の公演になっている。また、宣伝がうまく
いったのか毎日長蛇の列で当日の朝から配布される整理券は昼にはなくなってしまうらしい。
実際、6/27(金)は10時半に到着して8階へエレベータで上がったら階段の下に向かって整理券の列が
できていて列の最後尾まで行ったらそこは1階であった。6/28(土)は朝7時半に到着したら
すでに50mほどの列ができていて整理券をもらってから下に下りてみると8階から並んでいる列が
2階から渋谷駅に向かう連絡通路を通って東急東横線の改札付近まで並んでいる状態だった。
|
|
★ 星と音楽の夕べ(有料プログラム) ★
音楽:サラ・ブライトマン、解説:永田美絵氏、時間:60分
投影開始のアナウンスがあると会場は一斉に拍手。生解説のためか異様な盛り上がりであった。
サラ・ブライトマン(ニュースステーションのオープニングで叫んでいる人)の曲が流れドーム内が
暗くなっていき星が映し出される。夕日が沈んでいく様子などは投影されなかった。
メガスターⅡで20mドームに映し出された星は数、像のシャープさなど「何かが違う」と
感じさせられるものだった。星の数は多いものの普段プラネタリウムの操作練習をしている
おかげで星座の判別などは問題なかった。特筆するべきところはやはり天の川の描画性能で、
通常のプラネタリウムは天の川の映像を映しているところを、メガスターⅡでは全て星として
映しているということで「つぶつぶ」感のあるものだった。
|
|
|
解説員による今夜見える星の解説が始まり、北斗七星〜うしかい座〜おとめ座の春の星座、
東へ行って、はくちょう座〜こと座〜わし座〜さそり座の夏の星座の解説がおこなわれていく。
解説の合間には、音楽を聞いてのんびりする時間が入ったり、解説員の思い出話が入ったりと
飽きのこないものだった。また今夜見える星空の解説が終わると、今度は緯度を変化させて
南半球の星空が地平線の上に見えてくる。いて座付近を中心とした南半球の天の川は見栄えが
するのでメガスターⅡの性能をフルに体験するには最適ということだろう。残念ながら双眼鏡を
持ってきていなかったので、肉眼に見える範囲での観望になった。投影終了後は再び拍手。
こんなプラネタリウムは見たことがない。
|
|
★ J-WAVE Slow Life Gallery ★
時間:30分
解説は一切なしの「音楽を聞きながら満天の星空と対話しましょう」というコンセプトの番組。
去年、プラネタリウムで同じような「音楽を聞きながら・・・」という番組を担当したので
とても興味を引く番組であった。コンセプトの通り星を見ながら音楽を聞いているのだが、
流星が降ったり、オーロラが出たりと退屈しないものだった。この番組でもやはり緯度変化で
南半球の天の川の様子を見ることができた。CGで投影されたのオーロラの動きは(本物は
見たことないけど)とてもリアルできれいなものだった。この番組で最も驚いたのは、演出に
風を使うところ。途中雲の映像が北から南へ流れていくところで、なんと本当に風が北から南へ
吹き始めたのだった。しかもなんか植物の香りが・・・。投影終了後、北側を見ると等間隔で
小さな扇風機が取りつけられていて風の演出をしていたのだった。「これは使える!」と思った。
|
|
|
|
★ meets 星の記憶 ★
語り:林原めぐみ、時間:30分
録音された全自動番組。(注)林原めぐみが来たわけじゃないです(笑)念のため・・・。
この番組は「渋谷と東急文化会館の歴史を振り返る」というような内容。引用すると
『星の瞬きを見上げた時、私たちは現在と過去を同時に目にしているのです。
星の記憶の中に浮かんだ、あの日、あの時の風景は・・・』というもの。
どのように星とリンクするのかと思っていたら、現在見ている星の光がその星を出発したときの
渋谷の様子を映像にだして歴史を振り返るという構成。
|
|
大雑把にしか覚えていないが下記のような感じ。(ちょっと間違っているかも・・・)
■さそり座 アンタレス(500光年)
渋谷の地名の由来になった渋谷氏が北条氏に滅ぼされる。
■うしかい座 ラス・アルハゲ(60光年)
渋谷・千駄ヶ谷・代々幡の3町が合併し渋谷区誕生
■はくちょう座 ゲナー(50光年)
東急文化会館オープン
このときは友人の双眼鏡(50mm×7倍)を借りて見てみたところ、気持ち悪いくらいの星を
見ることができた。残念ながら星雲や星団は発見することができなかった。
なお投影終了後、友人がプラネタリウムの製作者の大平氏を見つけ持っていた大平氏の著書に
サインをもらってご満悦であった。自分はそのとき大平氏の著書は持っていたが先に出てしまって
いたので・・・。ちょっとうらやましい。
【メガスターⅡについて補足】
メガスターⅡは大平氏が個人で作成したプラネタリウム。メーカーの作成しているプラネタリウムとは
コンセプトが異なるため一概にメーカーより上とは言えないが、星の描画性能は他の追随を許さない。
プラネタリウムの星を映す原理は従来のものと同じ仕組みらしい。また、どうやらメシエ天体なども
映しているらしく、双眼鏡や望遠鏡で楽しめるプラネタリウムといえる。正直、すごいとしか言いようがない。
会社を辞めてフリーになったようなので、今後メガスターⅡの投影を見る機会が増えるかもしれない。
|
|