■レース総括(カイロからインチョンに向かう機内にて)
今回は結果的にはリタイアであり南極ステージの出場権を得るための第一歩を踏み出せずとても悔しい結果となった。ステージ2のアクシデント・・・何が起こったのか明確にはわからない。でも次の対策としてはレース中でなくても夜中であっても常に水を摂ることか。体の仕上がりは完璧で装備の準備も駆け込みながら妥協のないものを揃えることができた。リアイアした日以外は一桁順位をコンスタントに出せる手ごたえを感じられるものだった。精神面ではリタイア直後はとても次の日から普通にレースに戻れないのではないかと思ったがよく立て直したと思う。ステージ4では少しやる気を失ってハイキングのようになってしまったがステージ5では再び上位を目指す走りができた。そのような走りができたから上位の選手たちにレースの復帰を喜んでもらえお祝いの言葉をもらえたんだろうと思う。翌日から安易にスタッフ側にまわったり、後ろのほうでゆっくり歩いていたりしたら(それはそれできついのだが)今回経験したような上位選手との交流はなかったかもしれない。
リタイアしたからこそ経験できたことも多かった(リタイアをよしとするわけではない)。調子が悪くふらふらとしか歩けない状態でのCP までの果てしない道のりは砂漠では死ぬかもしれないと感じるには十分だった。貴
重な水を自分に飲ませながら付き添ってくれた宍戸さん、レースを中断し治療をしてくれたユーさん、リタイア以降のステージでは自分のペースが速いと心配する近藤さん、自分の顔を見ると「胃の調子はどうだ」と聞いてくれるドクター、いかに多くの人に支えられているかというのは調子のよいときにはわからないだろう。
それから完走がなくなった後も「今日は何位だった?」と自分の順位を楽しみに?していてくれる日本チームのみなさん、気さくに「My Friend」と手を振ってくれるパオロさんもモチベーションをつなぎとめる大きな力に
なりました。たくさんの人のおかげでリタイアのくせに「サハラでやるべきことはやった」という幸せすぎる気持ちでレースを終えることができました。
次の目標は英会話とどこかの砂漠で打倒パオロです(笑)
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